中国 夏に降る雪は「冤罪」や「怨念」の象徴といわれている。

「六月の雪、異常気象」の裏には冤罪が 北京で国防相経験者が一度に2人も処分

2024/06/29
更新: 2024/06/29

中国で27日、国防相経験者が一度に2人も処分される極めて異例な事態が起きた。

および「中国共産党が今後の中国の発展方向を決定する」第3回中央委員会全体会議の日程が発表されたこの日の午後、北京では突如、「6月の雪」が降った。

李尚福前国防相と魏鳳和元国防相が粛清されたという噂は以前から流れていたが、今月27日、2人は「重大な規律・法律違反が確認された」として党籍剝奪が発表された。

李は過去に中央軍事委員会の装備発展部長を務めたことがあり、国防相になる前の魏は、中共の初代ロケット軍の初代司令官を務めていた。

2人はなぜ失脚したのだろうか? 国営新華社通信によれば、「政治規律の違反」「収賄」などの疑いあるという。

失脚した李尚福前国防相(左)と魏鳳和元国防相(右)。(「時事金掃描」より)

 

失脚した「真の理由」

2人の失脚理由について、時事評論家の金然氏は自身のセルフメディアの時事評論番組「時事金掃描」のなかで、次のように評した。

腐敗はすべての中共官僚の共通の病、特に国防相クラスになればこんなのは問題ではない。問題は『政治規律違反』にある。これはどういうことかというと、わかりやすく言えば、つまり立つ側を間違えた。もっとわかりやすく言えば、要するに習近平側に立つことを選ばなかったことだ。これこそが、彼らの本当の失脚理由だ」

外交部と国防部のトップの相次ぐ失脚、そして軍のなかでも最も重要な位置にある「ロケット軍」の高官の大量失脚や徹底的な腐敗調査など、いまの中共内部はかつてないほどの腐敗と混乱な状況にある。

中国経済が苦境に立たされ、中共高官らが内部抗争に明け暮れるなか、開催の遅れが指摘されていた重要会議「三中全会」は、今年7月15~18日の日程で、北京で開催されることが発表された。

自身のセルフメディアの時事評論番組「時事金掃描」で解説する時事評論家の金然氏。(「時事金掃描」より)

 

「開催の真意」について、金然氏は中共の開催声明の「党の全面的指導を堅持し、党の権威と集中統一的指導を堅持する」という言葉から見出すことができると指摘する。

しかし、そのように『堅持』した結果、どうなるのか?

金然氏は中国経済はさらに悪化し、国民は完全にタンピン(躺平)化するだろうとしている。タンピンとは中国の最近の若者に見られる、厳しい受験競争や就職へのプレッシャーに嫌気が差した若者が消費や結婚に無関心になっている状態のことを指す。

そして、西洋社会が進めている国際社会とのデカップリング(分離)も加速し、誰も中国を相手にしなくなる。さらには、中共の党内の闘争もさらに過激化することになり、官僚全員が狂乱する。

時事評論家・袁斌氏の言葉を借りれば、「中国共産党崩壊の大局はすでに確定しており、もう誰もそれを変えることはできない」分析している。

 

六月飛霜(雪)」

中国共産党が今後の中国の発展方向を決定する第3回中央委員会全体会議の日程を発表した6月27日の午後、北京の延慶地区で突如、「雪」が降った。強風と豪雨、そして雹まで降り、北京の街中は一面の雪となった。しかしこの日の北京の天気は、夜21時まで30℃以上の気温もあったのだ。

夏に雪が降るはずもないのに雪が降ったことに対して、現地民は突然の雪に戸惑い、誰もが「六月飛霜(雪)」という古くからの言い伝えをが脳裏に浮かべただろう。

夏に降る雪は「冤罪」や「怨念」の象徴といわれている。

中国では古来から「夏に降る雪は冤罪があり、亡霊の怨念や慷慨悲憤(こうがいひふん・社会の不義・不正や自らの運命などに憤りをおぼえ、嘆き悲しむこと)が、神を動かしたから」といわれている。そのため、この異常気象を「神の怒り」や「不吉の前ぶれ」「天下大変の前兆」とする民間の言い伝えもある。

 

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李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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