アメリカ社会 ブリード市長は、ダウンタウンの活性化とホームレスの削減も目指す支出提案は市の価値観を反映していると述べている。

サンフランシスコ 8億ドルの赤字に直面しながらも治安強化を優先

2024/07/01
更新: 2024/07/01

サンフランシスコ市が約8億ドルの財政赤字に直面する中、ロンドン・ブリード市長は治安強化、ダウンタウンの再活性化、ホームレス防止を優先する予算案を発表した。この予算案は「我々の価値観を反映するものだ」とブリード市長は述べている。

ブリード市長は5月に2024〜25年度の159億ドル、2025〜26年度の155億ドルの予算案を発表した。

声明で、「この予算では、赤字を解消するために厳しい決断を下したが、それは容易ではない。しかし、我々の住民が期待し、当然とする重要な市のサービスに投資する正しい決断も下した」と強調した。

市長は市内の公共安全の改善の重要性を強調していた。提案された予算案では治安部門の増員、新技術への投資、公共安全資源の現代化を目指している。ブリード市長は、2024-25年度の治安費用に8億2160万ドルを提案しており、これは前年度から6%の増加となる。2025-26年度にはさらに2.2%増の8億3950万ドルを提案している。

新たな支出は「パンデミック前の水準まで人員を回復させ、3年以内に完全に人員を整える」ことを目指している。また、今後2年間で警察官の給与を7.75%引き上げることも含まれている。

さらに、市長はダウンタウンの再活性化を目指し、市の資金を利用して新しい店舗を100店舗創設し、新規事業の市の手数料を免除する計画を打ち出している。

もう一つの目標は、サンフランシスコにおけるホームレス問題を「まれで、短期間で、一度限りの出来事とする」ことである。ブリード市長は2024-25年度に、ホームレス支援住宅局に対して8億4670万ドルの予算を配分しており、前年から約20%の増加だ。

一方で、予算案で幼児教育局の予算は削られている。2024-25年度の予算は3億3650万ドルで、前年から2.6%減少する。市長はこれを「様々な収入源の減少」によるものと説明している。同局は低・中所得世帯への保育券の配布や保育施設の建設・改修に資金を提供している。

ブリード市長の計画は、予算の均衡を図るために「各部署での手数料の引き上げ」や「重要でない職位の空席保持」などのアイデアを提示している。

6月26日、市の予算・歳出委員会はブリード市長の提案を審議し始めた。会議を主導するコニー・チャン委員長は、この提案をそのまま受け入れることに慎重であり、「次の6か月を乗り切るため、つぎはぎだらけだ」と述べた。

同氏は、育児、セクハラ防止、公選弁護人事務所などの分野での支出提案を拒否する意向を示し「一時的な支出ではなく、構造的な支出が問題だ」と述べ、市が大きな赤字に直面している中で、継続的な支出の影響を考慮する必要があるとした。

一部の住民もブリード市長の財政計画に懐疑的だ。6月25日、元サンフランシスコ市議会議員のトニー・ホール氏は大紀元に、「一人当たりで見れば、我々の予算は世界のどの都市よりも高い」と語った。

ホール氏は、非常に高い税基盤を持ち、従来から市と郡から多額の歳入があるにもかかわらず、サンフランシスコ市の歳入が減少していると指摘している。サンフランシスコ市は、アラメダを含む他の3つの小都市を持つサンフランシスコ郡の中で最大の都市である。

ブリード市長の予算計画は、パンデミックの影響で税収が減少していると認めており「歳入の見通しは、観光業や事務用産業など、パンデミック時に最も影響を受けた、あるいは変貌を遂げた部門の回復と密接に結びついている」と記されている。

ホール氏は、問題は支出にあると述べ、「問題を解決する前に、その問題が何であるかを知る必要がある」とし、迫り来る赤字を解決する唯一の方法は、「現在の支出よりもはるかに少ない金額で対処することだ」と述べた。

市議会は7月23日に予算を最終承認するための会議を開き、ブリード市長は7月31日までにそれを承認しなければならない。

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