フランスが中共の越境弾圧に対抗 スパイを国外追放

2024/07/06
更新: 2024/07/06

世界中の国々が、中国共産党(中共)の国外でのスパイ活動に対して、より明確な対策と抑止力を強めている。最近、フランス政府は中共の上級スパイ2人を国外追放するという決定を発表した。さらに、中共と共謀していたノルウェー籍の男性も訴追している。

フランスの大統領府は特別な手続きを経て、中共の国家安全部に所属し駐仏大使館で働いていた上級職員二人を国外に追放する命令を出した。

このニュースは、フランスの主要紙「ル・モンド」が外務省の公式な確認を受けて伝えた。

今年の3月には、中共の国家安全部のスパイと駐仏大使館の関係者約10人が、シャルル・ド・ゴール空港で中国の政府に異議を唱える人々を強引に中国本土へ連れ戻そうと試みたが、フランスの国境警備隊と報道陣の迅速な対応によって救出した。この事件の指揮を執っていたのが、今回、フランス政府により国外追放された中共の国家安全部の駐仏代表と副代表だ。

国際問題専門家の唐浩氏は次のように述べている。

「今回、中共の国家安全部がフランスで行った行動は、フランスの自由、人権、そして国家主権というデリケートな問題に触れてしまった。最近、スウェーデンやノルウェー、フィリピンで中共によるスパイ活動が露見したことを受け、フランス政府は自国の主権と安全を守るために、中共の国家安全部員を国外に追放するという断固たる態度を取る必要があった」

中共の海外スパイにより中国への強制送還の危機にひんした中国人男性、凌華湛さんは以前に中共の指導部に公然と反抗したことがある。凌さんは「大紀元時報」に対して、中共の大使館が凌さんに「自分は法輪功の信者である」とうそを言い、中国に戻って自首するよう圧力をかけたと証言している。

報道によると、フランス政府が最近行ったこの国外追放は、非公開のうちに進められ、中国側との間で「双方の合意」のもとに実施されたという。

この事に対し、唐浩氏は中国はフランスにとってEU以外では最も大きな貿易パートナーあること、中共を公然と刺激したくないという意向があること、そしてもう一つは、今、フランスで大統領選挙が実施されており、もし中共のスパイ活動が注目されれば、現政権にとって選挙に不利な影響を及ぼす可能性があることの3つの理由をあげている。

また今回、ノルウェーの安全警察は中共のスパイ活動に関与した疑いでノルウェー国籍の男性を逮捕したが、その男性の身元は公表されていない。逮捕された彼は、オスロの裁判所で法的な手続きが行われている。

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