中国 夏に降る雪は「冤罪」や「怨念」の象徴といわれている。

冤罪の怨念? 甘粛省張掖市、またしても夏に雪が降る

2024/07/07
更新: 2024/07/07

真夏日が続くなか、中国では「またしても」降るはずもないのに雪が降った。

甘粛省張掖市で4日に撮影されたという動画のなかには、降り積もる雪が映っていた。しかし、大雪のなか、なかには上着を羽織る人もいたが、人々の身に着けているのは「夏の服装」だった。

(夏に降る雪、2024年7月4日、中国甘粛省張掖市)

 

冤罪

「夏に降る雪」、「六月飛霜(雪)」という言葉を聞くと中国人であれば、誰でもすぐ脳裏に浮かぶ言葉、それは「冤罪」である。

この頃、北京や四川省、黒竜江省など各地で「夏に降る雪」が相次いで確認されている。

6月27日、北京市延慶区で最大直径5センチもある卵ほどの大きさの雹(ひょう)が突然降り、街中に「氷河」ができた。

6月24日、四川省甘孜県(カンゼけん)で大雪が降り、高速道路が大渋滞した。

5月19日、黒竜江省牡丹江市で大雪が降り、動画撮影者はその時、車内で半袖だった。

2024年5月19日、中国黒竜江省牡丹江市で降った大雪(中国のネットより)

 

「六月飛霜(雪)」は検閲対象

中国では古来から「夏に降る雪は冤罪があり、亡霊の怨念や慷慨悲憤(こうがいひふん・社会の不義・不正や自らの運命などに憤りをおぼえ、嘆き悲しむこと)が神を動かしたから」といわれている。そのため、この異常気象を「神の怒り」や「不吉の前ぶれ」「天下大変の前兆」とする民間の言い伝えもある。

昔であれば、このようなめったに見られない現象が起きた時には、中国メディアも「夏の奇景」として浮かれた報道をしていたが、それが「常態」と化した今、国民が動揺するのを恐れているのか、あまり報道しなくなった。

それに現在の状況は、中国は経済の破綻、失業者の爆発的増加、疫病の蔓延、異常気象による農業への打撃など、どれをとっても国の根本を揺るがす大問題を抱えているのだ。

そうした切迫した状況に加え、自殺者の急増や無差別殺人など社会報復事件が頻発し、怨念が渦巻き、邪気があふれるなか、「冤罪」や「怨念」を想起させる「六月飛霜(雪)」が「検閲対象」となった。SNSに投稿された関連情報の殆どは、封殺に遭っている。

 

未払い給料の支払いを求めて学校内で抗議する中国江西省の公立学校の教師たち、2024年6月14日(SNSより)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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