EUは7月5日から、中国製電気自動車(EV)に対する一時的な反補助関税の適用を開始した。これに対して、中共(中国共産党)は報復措置をちらつかせている。スペインはEUに対し、中共との交渉に際して、短絡的な思考を避けるよう促している。
9か月の調査を経て、EUは7月5日より、中国製EVに最大37.6%の一時関税を課すことを決めた。これは、中共が自国のEVメーカーに与えている莫大な補助金が引き起こす不公正な競争を矯正するための措置だ。
この一時関税は4か月間有効だ。期間終了後、EUは調査と交渉を完了し、加盟国は次の5年間で中国製EVに適用する新しい税率についての投票を行う予定だ。
EUの報道官は7月4日の記者会見で、関税導入は公正な競争を維持するためのものだと明言した。
EU委員会の報道官エリック・マメール氏は、
「関税導入は目的そのものではなく、不均衡で不公平な競争を正すための一つの手段に過ぎない」と述べた。
中共は、この関税政策に対して強い反対を示しており、商務部は5日にヨーロッパ産ブランデーと豚肉が中国市場においてダンピングされているかどうか調査すると発表した。さらに、中国の国営メディアは、EU製の乳製品や高級自動車に対して報復関税をかける可能性があるとの見解を示している。
ドイツの自動車メーカー複数社は、中国でのビジネスに悪影響が出ることを危惧し、EUに対して反補助関税の取り消しを要請している。
スペインの経済大臣ナディア・カルビニョ氏は「日経アジアレビュー」のインタビューで、EUの方針を支持すると述べ、中共との交渉では、現実的な態度を維持するようEUに呼びかけ、楽観的な見方を避けるよう助言した。
カルビニョ氏は、ルールに基づく国際貿易の中でEUが積極的に進展していることに触れ、私たちは「規則に従った行動」と「欧州産業の保護」との間で適切なバランスを見つける必要があると強調した。
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