7月13日、アメリカ前大統領ドナルド・トランプ氏がペンシルベニア州で行われた選挙集会中に銃撃され、右耳を負傷した。直ちに病院に搬送されたトランプ氏の状態については、アメリカ合衆国シークレット・サービス（USSS）広報担当者は13日夜、「X（ツイッター）」に「前大統領は無事だ」と書き込んだ。

この衝撃的な事件は世界中で様々な憶測を呼び、虚偽情報や噂が飛び交っている。ここでは、現在メディアで広まっている一部の誤情報を検証し、真実を明らかにする。

銃撃犯の「自撮り動画」公開、共和党とトランプ氏への憎悪を告白？

事件直後、白縁の眼鏡をかけた青い服を着た金髪の男性の写真がソーシャルメディアで広まった。銃撃犯の名前はトーマス・マシュー・クルックス、「共和党とトランプ氏を憎んでいる」と自称する動画も拡散された。この内容は台湾のメディア（鏡周刊、民視新聞、東森新聞）や中国の省級メディア（安徽商報、泉州晩報）などで広く報道された。

Surprising twist..says he is not the shooter

So who is the guy on the roof in this psyop? pic.twitter.com/8L3bswMPjb

— JP (@creatingpages) July 14, 2024

しかし、ラジオ・フリー・アジアの調査によれば、これらの情報はXユーザー＠jewgazingが投稿した悪ふざけの写真と動画であり、＠jewgazing本人がその後、自身が銃撃犯ではないことを明らかにした。

シークレットサービスも銃撃犯は発砲後に射殺されたと確認しており、＠jewgazingが犯人であるはずがない。チェック機関のPolitifactやLead Storiesも関連の調査報告を発表している。

連邦捜査局（FBI）は銃撃犯をペンシルベニア州ベセルパーク市に住む20歳のトーマス・マシュー・クルックスと確認しており、動機はまだ明らかにされていない。

国土安全省がシークレットサービスによるトランプ氏の保護強化を拒否？

アメリカ国土安全保障長官アレハンドロ・マヨルカス氏は、7月15日にニュース専門局CNNでトランプ前大統領の暗殺未遂について言及し、「そのような事件が起こることは考えられない」と発言した。また、「起こり得ない事件が起きたということは、失敗を意味する」と述べた。

現在、シークレットサービスはトランプ氏の保護強化を繰り返し求めているが、その要求は何度も拒否されているという主張があり、この情報源として「BRICS News」が引用されている。また、「フォックスニュース」もこの件を報じている。

しかし、USSSの広報担当アンソニー・グリエルミ氏はこれらの指摘を「全くの誤り」とし、実際にはUSSSが警備資源と能力を増強していると反論している。

『フォックスニュース』は共和党マイケル・ウォルツ議員の指摘とUSSSの否定を共に報じたが、「BRICS News」は指摘のみを報じたため、誤解を招いた可能性がある。

暗殺未遂犯は「中国人と確認された」？

『ニューヨーク・ポスト』は13日の夜、犯人が中国人であると報じた。この情報はすぐにソーシャルメディアで拡散されたが、誤報であることがすぐに明らかになった。公式発表によれば、犯人は20歳の白人男性トーマス・マシュー・クルックスであると確認されている。

『ニューヨーク・ポスト』は投稿後1時間余りで内容を修正し、犯人の人種を白人男性に訂正した。多くのソーシャルメディアユーザーは関連の投稿を削除または訂正したが、一部のユーザーは「犯人が中国人である」との誤情報を広め続けている。