中国の産業支援策巡る「透明性欠如」、過剰生産の要因に=WTO

2024/07/18
更新: 2024/07/18

[ジュネーブ 17日 ロイター] – 世界貿易機関(WTO)は17日、「全体的な透明性の欠如」のため、中国政府による電気自動車(EV)やアルミニウム・鉄鋼生産など主要産業分野への支援策について明確な情報を得ることができなかったと発表した。

報告書で、中国は2021─24年の審査期間中に産業界に財政的支援やその他のインセンティブを実施したと指摘。ただ中国政府はWTOが支援策を明確に把握するための十分な情報を提供しなかったとした。

「中国政府の支援に関する全体的な透明性の欠如」は、半導体や造船を含めた様々な分野の過剰生産問題につながっている可能性があると言及。特に、主要産業への株式投資に公的資金を使用しているとされる中国政府系ファンドの規模を把握できないとした。

173ページに及ぶ今回の報告書は中国に対する貿易政策審査の一環として発表された。これはWTOに加盟する全166カ国に対し数年ごとに実施される審査で、中国に対する前回の審査は21年だった。

米国、オーストラリア、英国、欧州連合(EU)を含む西側諸国はこの機会に中国の産業政策を批判。米国のデビッド・ビスビー在ジュネーブ代理公使は他国に損害を与える「略奪的な」産業慣行を行っているとして中国政府を非難し、「この支配という目標を支援するために中国国家の全力が投入されている」とした。

一方、中国政府は審査の一環としてWTOに提出した文書で、WTOの規則と01年に加盟した際に合意したコミットメントの双方を順守していると主張。産業への補助金や開発促進に関する協議には前向きだが、そのような協議は「国家介入または産業政策に関する一般論やマクロ的な議論を避けるために明確に定義されるべき」とした。

Reuters
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