今月17日と19日、中国陝西省の高速道路が、相次いで崩落したことがわかった。
17日に一部崩落した宝鶏市の高速道路(宝鶏市快速幹線)は、昨年1月に完成したばかり。19日に一部崩落した商洛市の高速道路(丹寧高速道路)は一部区間は昨年末、完成したばかりで、古い区間でも開通して約5年だという。
17日の事故では危うく転落しそうになった車はあったものの、死傷者はいないと報じられている。
いっぽう、19日の事故では車両25台が川に転落し、少なくとも12人が死亡、31人が行方不明となっている。
これら崩落事故について、当局はいずれも「豪雨や土石流のせい」などで、「災害」と位置づけているが、民間では「手抜き工事ではないか」と疑問を呈する声が多く上がっている。
今年5月にも、広東省梅州市にある梅龍高速道路で、路面の一部が崩落する事故があった。翌日、「死者48人、負傷者30人」と当局が死傷者数を更新して以来、続報はない。
同高速道路は開通して10年足らずで、事故直前に安全検査をクリアしたばかりだったという。
SNS上には、崩落現場の写真をもとに、様々な専門家による分析が投稿されており、「鉄筋はどこ? 本来あるべきものが見当たらない、土台がなってない、やはり手抜き工事だった」と多くの人が指摘している。
アメリカの上級橋梁設計技術者である竹学葉氏は、「連日のように降り続いた大雨が崩落原因」という当局の主張を一蹴し、「明らかな手抜き工事」と分析している。
「ずっと前から言っていることだが、今の中国は一見してとても見栄えが良い。しかし、10年もしないうちに、おから工事災害があちこちに現れるだろう。住宅をはじめ、橋、道路、鉄道などのインフラは問題だらけだ」と竹氏は警鐘を鳴らした。
5月4日午後、広東省の別の高速道路「江珠高速公路」でも一部が崩落する事故が起きているという。
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