分析 中国共産党が外交面での活動を強化

2024/07/29
更新: 2024/07/29

最近、中国共産党(中共)は外交の舞台で積極的な姿勢を見せており、ハマスとファタハの間の「和解」協定の仲介を行い、ウクライナの外務大臣を招待して中国への訪問を実現している。これらの行動には一体どのような意図が隠されているのか?

ウクライナのクレバ外務大臣は7月24日、中国の広州市で中共の王毅外交部長と会談を行った。2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻以降、ウクライナの高官が初めて中国を訪問した。

軍事評論家マーク氏はアメリカの大統領選挙がロシアとウクライナの紛争の今後に大きな影響を及ぼす。トランプ氏が返り咲いたら、彼がロシアとウクライナに和平交渉を促す可能性が大きいと語る。

「ウクライナは様々な準備を進めており、中共との接触を通じて中国の立場や意向を探り、領土の保全に向けた可能性を模索している」

クレバ外相の中国訪問は中共から招待されたもので、会談の後、中共側は両国がウクライナ情勢について意見を交わしたことを公表し、これが議論の的となっている。

カナダの民主活動家であり、かつて北京で弁護士を務めた頼建平氏は次の様に述べた。

「中国は現在、国際的に孤立しており、その関係は大きく悪化している。その結果、中共はロシアとの関係を適切な距離で保ち、過度に近づかないよう努めている」

実際、ロシアとウクライナの紛争が始まってから、中共はロシアを支持していると見なしており、アメリカ、欧州連合、そしてNATOから公に批判されている。

NATOのイェンス・スルトテンベルグ事務総長は「中共は、ロシアのウクライナ侵攻において重要な役割を演じている」と述べた。

中共外交部の報道官である毛寧氏は、26日にユーラシア問題担当の特別代表である李輝氏が7月28日からブラジル、南アフリカ、インドネシアを訪れ、ウクライナ問題に関する4回目のシャトル外交を行うことを発表した。

分析によると、米国大統領選挙が近づく中、「ウクライナの平和」が重要なテーマになると予想する。しかし、中共の最近の外交活動の背後には、別の意図が隠されているとの見方もある。

マーク氏は「中共は、パレスチナとイスラエルの対立であれ、ロシアとウクライナの対立であれ、アメリカの政権交代の機会を利用して、最大限の利益を得ようとしている」と語った。

7月21~23日には、パレスチナの各派閥が北京で「内部和解のための対話」を実施した。中共は14のパレスチナ派閥と「北京宣言」に署名し、ハマスとファタハの間のいわゆる「和解」協定の仲介を行った。

賴建平氏は「中共は、反米・反西側の立場を持つ国々として、中東、シリア、パレスチナ、イラン、そしてキューバやベネズエラなどの国々の資源を統合し、悪の枢軸のリーダーとしてアメリカや西側諸国に対抗する意図がある」と述べている。