最近、中国各地で「罰金経済」の風潮が目立つ。その背景にあるのは地方政府の財政難だ。
なお、「罰金経済」とは、収入不足を補うため、罰金によって自治体や組織を維持することをいう。
「罰金経済」といえば、これまでは一般市民への「交通違反の罰金」が最も多かったが、店や商販に対する理不尽過ぎる罰金のケースもしばしばネットで話題になっている。
今月19日、「タクシー運転手に報酬を渡して集客をさせたレストラン」や、「顧客に鍼灸などのサービスを提供したマッサージ店」に、巨額の罰金を科したトピックスが、中国のネット検索大手・百度(バイドゥ)のトレンド入りし、物議を醸した。
厦門(アモイ)のあるレストランは、タクシー運転手に報酬を渡して集客をさせたとして、「商業賄賂を行った疑いがある」として100万元(約2千万円以上)の罰金を科せられた。
「うちの店に客を連れてきてくれたら5~20元(約100~400円)のチップを払うと、店は付近のタクシー運転手と約束しているのは事実だ。しかし、うちは小さな飲食店で、1年営業しても20万元(約400万円)も儲からないというのに、いきなり100万元(約2千万円以上)の罰金だなんて、あんまりではないか」とレストラン責任者は困り果てていた。
この責任者は当局の罰金命令を「不服」とし、上訴するという。
いっぽう、顧客に鍼灸、カッピング療法などのサービスを提供した四川省宜賓市にあるマッサージ店の場合、「無免許で医療行為を提供した」として、「違法所得」で得た128元(約2560円)を没収された。このほか5万元(約100万円)の罰金を科された。さらには、店が最初の罰金(5万元)を期限内に支払わなかったとして、さらに5万元(約100万円)の罰金を科したのだ。
もちろん、当局の罰金命令に店主は「不服」だ。店主は「当局に没収された128元のなかには、合法的なマッサージサービスの料金も含まれているし、罰金10万は128元の781倍に当たり、これは所得と罰金の割合が明らかに釣り合っていないし、不当だ」として罰金切符を切った現地当局を相手に裁判を起こした。しかし、最初の訴訟では敗訴しており、いまは再審を申請中だという。
今回のレストランやマッサージ店に限らず、これ以外にも「小さな過ちに対して重すぎる罰金」のケースは少なくない。そのようなニュースはしばしばSNSの拡散などにより物議を醸し、世論の怒りを引き起こしている。
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