社会問題 「外を歩いても、家の中にいても、安全はない」

中国の手抜き工事住宅 「部屋の壁が崩落」「外壁の一部崩落で死者も」

2024/08/05
更新: 2024/08/05

中国では、住宅の品質や企業の社会的責任よりも、利益追求をはるかに優先する建築業者が多く、豆腐のおからのように、手で砕けるほどもろい「おから工事(豆腐渣工程)」と呼ばれる手抜き工事の住宅が、以前から大きな社会問題となっている。

アメリカの上級橋梁設計技術者である竹学葉氏は「今の中国は、一見とても見栄えが良い。しかし、10年もしないうちに、おから工事災害があちこちに現れるだろう。住宅をはじめ、橋、道路、鉄道などのインフラは問題だらけだ」と警鐘を鳴らしている。

これまでも中国各地で学校校舎、学校体育館、公立病院、スーパーマーケット、集合住宅、高速道路などの崩落事故が絶えなかったが、またしても中国本土における「おから工事」の関連ニュースが相次いで投稿され、中国の住宅の安全性に関する疑念が、華人圏のSNSで再度巻き起こっている。

 

寝ている間に部屋の壁が崩落

2日深夜、浙江省杭州市の住宅の建材が大量に落ちてきた。この時、住民一家はベッドで熟睡中、落ちてきたレンガなどによって住民の女性や子供(2歳児)が、頭や手足などにケガを負った。

夜中に突然建材が大量に落ちてきた部屋に住む一家、2024年8月2日、浙江省杭州市

 

動画投稿者によると、「部屋の持ち主(大家)は賠償することに同意した」という。

SNSに投稿された現場動画のなかには、一瞬「どこかの爆発後の現場」かと見間違えてしまいそうだ。そこには「悲惨な」部屋の様子、そして部屋じゅうに散乱した大量な建材と、寝ている幼児を抱きかかえて呆然とする母親の姿があった。

 

 

(夜中に突然建材が大量に落ちてきた部屋に住む一家、2024年8月2日、浙江省杭州市)

 

落下した外壁の建材の直撃受けて死亡した若い配達員

同じ日(2日)、雨や強風の洗礼を受けた雲南省昆明市の高層マンションでも「おから工事」が露呈した。落下した外壁の一部が地上の配達員を直撃し、死亡した。このデリバリー配達員は19歳の大学生で、夏休み期間中アルバイトをしていたという。

 

(落下した外壁に当たって亡くなった配達員、2024年8月2日、雲南省昆明市)

 

これら「明らかなおから工事がもたらす悲劇のニュース」を見たネットユーザーは誰もが心を痛め、嘆いている。

「外を歩いても、家の中にいても、おから工事のせいで死にかねない」

「全方位、無死角のおから工事、防ごうにも防ぎきれない」

「中国共産党支配下の中国という国で、もはや生きているだけでも奇跡だ」

「亡くなったアルバイトの配達員は可哀そうすぎる、次は、中国以外のところへ生まれ変わってね」

 

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李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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