オースティン国防長官、9.11首謀者・共犯者との司法取引を破棄

2024/08/06
更新: 2024/08/06

ロイド・オースティン米国防長官は8月2日、9.11テロ事件の主犯とされる者およびその2人の共犯者に対する死刑回避の司法取引を放棄した。

事件担当監督官のスーザン・エスカリエ氏宛ての覚書で、オースティン氏はハリド・シェイク・モハメド被告ら3人と公判前合意を結ぶエスカリエ氏の権限を撤回した。オースティン氏は、この件に関する最終的な決定権は自分にあると主張。

「上記の案件における被告と公判前合意を結ぶ決定の重要性を考慮し、2009年の軍事委員会法に基づき、そのような決定に対する責任は上級設立権限者である私にあると判断した」とオースティン長官は覚書で述べた。

「上記の案件に関して公判前合意を結ぶあなたの権限を直ちに撤回し、その権限を私自身に留保する」と同氏は付け加えた。

国防総省(DOD)の軍事委員会事務局(OMC)は7月31日、グアンタナモ湾での長年の収監の後、3人の被告と公判前合意を結んだと発表した。OMCがこの案件を起訴している。

この取引により、3人の被告(モハメド被告、ワリド・ムハンマド・サリフ・ムバラク・ビンアッタシュ被告、ムスタファ・アフメド・アダム・アルハウサウィ被告)に対する死刑が回避され、終身刑に置き換えられた。

取引の放棄により、死刑が再び適用されることになる。

クウェート系パキスタン人の機械工学者で、アルカイダ宣伝部門の元責任者であったモハメド被告は、2001年9月11日にニューヨーク貿易センタービル、ワシントンの国防省などに同時に自爆テロの計画を立てたとされている。

同被告は1996年ごろに、オサマ・ビン・ラーディンに対して航空機を乗っ取って米国の建物に突っ込むというアイデアを提示し、その後いくつかの乗っ取り犯の訓練を手伝ったという。

アルハウサウィ被告は、乗っ取り犯の資金や旅行の手配を手伝った罪に問われている。ビンアッタシュ被告は、テロリストの戦闘訓練を援助したとして告発されている。

これらの被告は長年グアンタナモ湾の拘置施設に収監されており、モハメド被告が最も有名な囚人だ。この施設は2002年に当時のジョージ・W・ブッシュ大統領によって、9.11攻撃後の外国のテロリスト容疑者を収容するために設立された。

OMCは7月31日、司法取引の具体的な条件は現在のところ公表されていないと述べた。

9.11同時多発テロでは約3千人が死亡、数千人が負傷した。この同時多発テロは、20年にわたるアフガニスタン戦争を引き起こした。

国防総省が司法取引の成立を発表した際に、9.11同時多発テロで犠牲になった人々の遺族からは激しい怒りの声が上がった。

9.11同時多発テロを生き抜いたニューヨーク市消防局(FDNY)のアンドリュー・アンスブロ制服消防士協会会長も、何千人もの消防士が「裏切られ、嫌悪感を抱いた」と述べ、この取引を非難した。

エポック・タイムズはOMCにコメントを求めている。

オーストラリアを拠点とするエポックタイムズ記者。
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