「痛恨の極み」 小林製薬が紅こうじ事業から撤退 19日から補償申請を受け付け

2024/08/08
更新: 2024/08/09

小林製薬は8日に開催された取締役会で紅こうじ事業から撤退すると発表した。

同日、社長に就任した山根聡氏は大阪市内で記者会見し、「あってはならない事態を起こした。痛恨の極みだ」と謝罪した。サプリ摂取で被害を受けた利用者からの補償申請を19日から受け付ける。

対象の食品を摂取した人や診察した医師から最初に健康被害が疑われる報告があったのは1月。その後、自主回収を発表したのが3月となり、最初の報告から発表までに2か月余りかかり問題視されていた。会社は最初の報告の時点では「健康食品が原因となった可能性がある」とはわからず、調査に時間がかかったとしている。

その後4月5日、自見英子消費者及び食品安全担当大臣は、小林製薬が紅麹成分を含む機能性表示食品8製品について安全性を再検証した結果「紅麹成分が健康に影響を及ぼすという報告はなかった」と明らかにした。一方で、当該商品で健康被害が複数確認されていることから「安全に摂取できるとは評価できない」と述べていた。

武見敬三厚生労働大臣は7月28日の記者会見で、これらの食品による健康被害が疑われる死者が新たに76人判明したと明らかにした。これまで小林製薬は厚労省に、死者数は5人と報告していた。死亡事例と紅麹製品との因果関係は未だ不明で、厚労省は今後、調査するとしている。

今回、補償担当取締役となった小林章浩前社長は「創業家として責任を持って、粉骨砕身、業務に身をささげる」と述べた。 

大道修
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