18日、中国遼寧省葫芦島市を大洪水が襲来した。水深は約数メートルあったともいわれており、街はまるごと水に飲み込まれた。ほとんどの地域で停電が発生し、ネットも中断され、多くの家屋では水は屋根まで達している。
多くの村と連絡が取れず、少なくとも6千人が緊急避難したとされているが、死傷者は不明。
現地当局によると、大雨の影響でダム水位が限界レベルに近づいたため、19日に放流を開始しており、以後7日間に渡り放流が行われる予定だ。つまり、ただでさえ深刻な大洪水に見舞われているなかで、継続的な放流が行われるということだ。
SNSに上がってきている現地の状況だけでも、その被害は甚大だ。今後どこまで被害が拡大するのか、想像しただけでゾッとする。
現地民によると、「増水速度が速く、また水の流れも非常に急であったため、避難が間に合わず、バイクなどに乗っていた市民は水に流され、死者も出ている」という。
「現地の排水システムは完全に麻痺しており、当局は災害実態を隠蔽している」と被災民は明かしている。
(中国遼寧省葫芦島市建昌県で発生した大洪水、2024年8月19日)
「豪雨は天災だ。しかし、雨だけでは街を飲み込むことはできない。毎年中国各地で繰り返される大洪水はすべて人的災害だ」とネット上は罵声であふれている。
「普段はダムが決壊しないよう定期的にダムの水を減らすなどの調整をしなければならないにも関わらず、現地役人は、ダムに貯め込んだ水を利用して金儲けをしたいから、そうはしない。いざ雨が降り続いて限界レベルに近づいたら放流を行う。中国で数十年も繰り返されてきた大洪水の原因はほとんどこれだ」と多くの専門家も指摘する。
毎回同じ筋書き、毎年大勢の人たちは、外国にはない中国ならではの人禍によって命を落としている。流域住民はいつ来るかわからない洪水に怯えながら暮らし、いざ大洪水が来ても政府による救援はほとんど望めず、あとは運任せ。
これが今の中国の現実だという。
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