緊張高まる南シナ海 フィリピンと中共海警局の船が衝突

2024/08/22
更新: 2024/08/23

南シナ海で衝突事故が再び起こった。8月19日の早朝、中共(中国共産党)の海警局の船がサビナ礁付近でフィリピンの沿岸警備隊の船と衝突し、フィリピン側の船に損害が発生した。

フィリピン沿岸警備隊の准将、ジェイ・タリエラ氏は「これは私たちがこれまでに経験した中で最も深刻な損害であり、船体に重大なダメージを受けた。原因は中国海警局による危険な航行操作だ」と述べた。

19日の早朝3時ごろ、中共とフィリピンの巡視船がサビナ礁で衝突し、フィリピンの巡視船2隻以上が損傷したとの報告がある。

フィリピン政府の国家安全保障委員会の広報担当、ジョナサン・マラヤ氏は「早朝3時24分ごろ、サビナ礁の南東約23.01海里の地点で、フィリピンの巡視船エンガーノ岬号が中共の海警船3104号の攻撃的な操船により右舷側に衝突し、甲板に穴が開いた」と報告している。

フィリピンの船の甲板には13センチの穴が開いたとのことです。

その約16分後には、フィリピン海上保安庁のもう一隻の船「BRPバガカイ」が中共の船に左右の舷側で2度衝突され、軽度の損傷を報告した。

この衝突は、サビナ礁の南東約43キロ地点で起きたもので、サビナ礁は、フィリピンの西部、パラワン島から西に約140キロの位置にある。

この地域は最近、中共とフィリピンの間で領土問題の新しい焦点となっている。数か月間、フィリピンと中共は双方ともにこの礁の周辺海域に海上保安隊を配置し、フィリピンは中共がこの場所に人工島を建設する可能性について懸念している。

中共は南シナ海の大部分に対して主権を主張しており、その範囲にはスカボロー礁も含まれている。しかし、2016年に国連の仲裁裁判所は、中共が南シナ海で行っている主張について、それが無効だという裁定を下した。

中共の公式メディアが公開した映像からは、2隻の船が衝突する様子が意図的に隠されていることが判明している。中共はフィリピンの船が中国の艦船に衝突したとして非難し、その責任をフィリピン側になすりつけている。

この衝突事件は、中共とフィリピンが海上での対立を和らげ、意見の相違を管理するという合意に至った1か月後に発生した。フィリピンはこの事態に対して強い失望感を表明した。

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