今月18日は、中国の伝統行事の「中元節(お中元、日本でいうお盆)」だった。この日、墓参り帰りの山東省の男性は一生忘れられない「怖い体験」をした。
なんと、男性の車に搭載された「高性能センサー」が車の周辺でうろつき、車のドアを開けたという「幽霊たち」を検知してしまったようだ。
男性が恐怖におののきながらも、頑張って撮影した「事件当時」の映像が、SNSに投稿され、話題になった。
本当にあった「怖い話」
この日、墓参りを終えた男性は帰宅途中、休憩するために道端に駐車した。すると、車に搭載されたレーダーが、人間には目視できなかった「歩行者」だけでなく「自転車に乗った人」まで感知したのではないか。
車載ディスプレイを見ると、確かに得体の知れない「モノ」が車の周りをウヨウヨしている。しかしだ、ここは荒野でいくら周囲を見回しても、人っ子一人いないのだ。
「なんてこった! なんでこんなに(人? 幽霊?)がいるんだ! ほら見て、自転車乗ってる奴までいるよ」という男性の震える声が、この時に撮影された動画に残っていた。
目視はできないが、車載ディスプレイに映ったこれら「モノ」たちは車まで歩いてきたら、なんと、「止まった」。なかには車の扉を開けようとしている「モノ」まで出てくる始末で、ちょうどこの時、車載ディスプレイに次のような警告メッセージが表示された。
「ドアが開けられました、注意して運転してください」
この非常事態に、男性はゾッとする寒気を感じ、緊急発車して逃亡、いや、その場を離れたという。
この命からがら(?)逃げ帰って無事生還した男性による「本当に会った怖い経験談」は中国のSNSで拡散され、「最新技術をもつ高度なセンサーがあの世のモノまで映し出してしまうことの可能性」について、白熱した議論が交わされた。
「車の故障なのでは?」という冷ややかな指摘もある一方、「霊を感知とは…」「シャレにならんわ。昼間だから笑ってられるが、夜中の無人の墓地でこんなのが画面にチラついたら…」などと大いなる想像力を発揮するコメントもあった。
幽霊はしばしば「感知」されている?
実際、「人間の肉眼では見出し得ない情報や世界を、高性能なセンサーを搭載した車がまさかの感知か?」といったケースはこれに限らず、探せば結構あるようだ。
米テスラ車
2021年1月にも、先進的な支援システム「オートパイロット」で名高い米テスラ社の電気自動車「モデル3」を所有するTikTokユーザーが、同様の動画を公開してネットを激震させていた。
こちらのケースも人間が目視する限り、周囲には誰もいない。しかし、車載ディスプレイにいきなり、誰かがいることを示す「人のマーク」が現れるという。
テスラ車には、周囲の環境や人影を自動で感知するモニタリングシステムが搭載されている。感知すると車載ディスプレイにそれが表示される仕組みになっているのだ。
2021年2月、中国福建省厦門市のテスラ車オーナーも同様のミステリーに遭遇している。ただ、こちらはいわくつきの墓地ではなく、普通のトンネルだ。
目視する限り、周囲に他の車両はない。だが、車載ディスプレイには「右側にバスが通行している」と表示されている。このバスらしき表示は、しばらくして忽然と姿を消した。しかし当時、トンネル内に他の車両はなかったという。
2022年7月30日、中国安徽省宣城市でも、トンネル内を通過するテスラ車の車載ディスプレイに、あるはずのない「バス」が2、3分間表示されていたという。しかし当時、そばには、目に見える車両は存在しなかったと、中国の大手ポータルサイト「新浪網」2022年8月2日付が報じている。
(米テスラ社EV「モデル3」のシステムが感知した「幽霊たち」)
中国製EVも
昨年3月28日、遼寧省瀋陽で中国の電気自動車(EV)メーカーの理想汽車(Li Auto)の新型フラッグシップSUV「理想L9 MAX」のEV車に搭載されたセンサーが「無人の墓地で、幽霊を感知した」という映像がSNSに出回り、話題を呼んでいる。
車に搭載された雷達(レーダー)は、人間には目視できなかった「歩行者」だけでなく「自転車に乗った人」まで感知したという。
(中国製EVに搭載されたセンサーが無人の墓地で「幽霊」を検知したという映像、遼寧省瀋陽市、2023年3月28日)
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