台湾の半導体受託生産大手TSMCが2021年にソニーグループなどと共同で熊本県に半導体工場を建設すると発表した。これに伴い、衣食住行などの基本的な需要が生まれ、現地の多くの日台企業間の協力が促進され、日台の経済的提携も緊密になった。以来、日台の経済的提携がさらに緊密になってきた。TSMCの日本市場での存在感が、日本人の台湾に対する印象や好感度を大きく向上させていると感じるという見方もある。
8月30日に、台湾メーカーの日本販路拡大・市場開拓などを目指す台湾生活用品及びパテント商品商談会がオークラ東京の「平安の間」で開催された。商談会には、75社の台湾メーカーが出展し、食品からテクノロジーまで、オリジナリティ溢れる商品を紹介している。
主催の台湾貿易センター東京事務所所長である鄧之誠氏は、「台湾と日本の産業構造は補完的な関係にあるため、台湾から日本に不足している部分を提供し、両国の企業がより緊密に協力できる環境を整えることができる。一部企業の提携・協力によって、他の企業にも波及効果が生まれ、さらなる協力が広がる可能性がある」と語った。
同じような展示会や商談会は毎年10回から20回程度開催しているそうだ。鄧氏は、単なる協力だけでなく、相互に知り合って、理解を深めるための交流プラットフォームを提供することが大切だと考えている。文化や言語、生活習慣、仕事の進め方には違いがあるので、それらを理解し、時間をかけて慎重に進めることが必要だ。
鄧氏は例として、TSMCが先頭を切って日本市場に進出したことにより、日本人の台湾に対する信頼感が以前より格段に高まっていることを実感していると述べた。TSMCが切り開いた道を追う形で、他の台湾企業も日本市場で成功を収めており、このようなポジティブな効果が生まれている。
同商談会は今年で29回目を迎えた。鄧氏は、日本では長い付き合いが重視されているから、毎年欠かさずに商談会を開催し、台湾企業が誠意を持って協力しようとしている姿勢を示すことが重要だと認識している。
また鄧氏は、「今回のようなイベントでは、台湾独自の特許技術を活用した製品を紹介し、技術の共有や交流を通じて信頼感を育むことが目標だ。また主催側は第三者として、特定の企業に属していないため、日本のお客様も台湾企業も信頼してくれる」と語り、この信頼感を基盤に、より良い協力関係を築くための交流の場を提供し続けていく意向を表明した。
台湾の日本向け輸出の課題としては、習慣の違い、馴染みの薄さ、輸入手続きの煩雑さなどが挙げられる。
商談会に参加した台湾食品メーカーの張さんは地元企業と流通面で協力できることを期待していると語った。「外国企業として、日本市場ではまだまだ馴染みが薄いところがあります。台湾の人々は、日常の食事を通じて健康を増進することに慣れています。このような機会を通じて、この文化を日本に伝えたいと願っています」
補聴器・集音器メーカーの呉さんは、血圧計などの医療機器を扱ってきたが、徐々にホームケア製品へとシフトしていると語る。自社が開発した補聴器・集音器の良さをより多くの日本企業に知ってもらって、そして、普及させていきたいと語った。
クリスタルジュエリーに特化した宝飾品会社の荘さんは、日本の百貨店で出店したいが、協力できる会社を探していると述べた。
台湾貿易センターは台湾のメーカーを日本に招くだけではない。同組織は日本で東京、福岡、大阪の3つの事務所を構え、日本の大手企業の代表を台湾に招待し、台湾の優れた企業との対談の場を設けている。鄧氏によると、この「Taiwan-Japan business Dayは毎年実施し、日台間のビジネス交流を促進している。
また、最近では、日台間の協力が第三国へと広がる傾向が見られる。具体的には、日本企業からベトナムやインドネシアで活動する台湾企業を紹介してほしいという問い合わせが増えており、これにより、第三国での新たな協力関係が進んでいる。
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