カナダグースの変革 厚手パーカーから夏向け軽量アパレルへの進展

2024/09/01
更新: 2024/09/01

カナダグースは、その名を厚手のダウンパーカーで築いてきたが、近年、新たな気候適応製品ラインを導入することで市場を拡大し、購入シーズンの延長を図っている。

カナダグースは、高品質なダウンジャケットで名高いカナダ発のブランドである。北米市場では、平均900カナダドル(約9万7488円)で取引され、「ダウンジャケット界のエルメス」と称されることも少なくない。

「ウォール・ストリート・ジャーナル」の8月28日の報道によれば、15年前には厚手のダウン製品が業務の95%を占めていたが、現在ではその比率が約半分に減少している。残りは衣類、ウールセーター、Tシャツ、ポロシャツ、靴などの販売によるものであり、カナダグースが季節に応じた商品の展開を強化するにつれ、この割合はさらに増加する見込みである。

同社は6月に、暖かい季節向けの27種類の新スタイルを発表した。その中には、同社初のレインブーツも含まれている。また、5月にはコロンビア出身のフランス人デザイナー、ハイダー・アッカーマン氏を初のクリエイティブディレクターとして迎え、様々な気候に対応するアイテムのデザインが期待されている。

カナダグースの最高財務責任者であるニール・ボーデン氏は「製品ラインの多様化は、多くの機会をもたらし、これにより価格も手頃なものになります。例えば、純白のTシャツは175ドル、パーカーは1千ドル以上です。厚手のコートと比べて、顧客は衣類やその他の商品をより頻繁に購入する傾向があります」と語っている。

さらに、「商品は年間を通じて購入される」とも述べている。

ボーデン氏は「他のカテゴリーにおける収益モデルの成長は非常に力強い」「製品ラインナップを拡充することで、リピート顧客や新規顧客を増やすチャンスがある」と説明している。

同氏は「新商品の魅力が顧客を惹きつける可能性がある。例えば、ポロシャツや薄手のジャケットなど、手に取りやすい商品を通じて、消費者がブランドと異なる形で接触し、徐々にパーカーなどの高価なアイテムへと移行していくかもしれない」と展望を語る。

長い間、この会社は重いダウン製品以外の分野を着実に拡張してきた。2011年には軽量ダウン製品を市場に投入し、その後数年でニット、靴、ウールセーターといった商品が次々とラインナップに加わった。これらの商品は顧客に受け入れられ、ポロシャツやハイネックシャツ、コットンセーターなどの軽量ダウン製品の売上は、6月30日に終了した四半期で前年同期比20%の増加を見せた。

3月31日に終了した会計年度においては、軽量ダウン製品の売上が全体の46%を占め、前年の43%から上昇した。ボーデン氏は、この成長トレンドが継続することを期待していると述べている。

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