アメリカのジャック・サリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官が中国訪問を終え、バイデン大統領と習近平が会う可能性があることを明らかにした。一方、英国のメディアは、中国共産党(中共)がトランプ氏の選挙チームとの接触を試み、前駐米大使の崔天凱氏を派遣したものの、成果はなかったと報じている。
アメリカのジャック・サリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官は、29日に中共の党首と会談し、バイデン大統領は「今後、数週間以内に再度あなたと接触できることを期待している」と述べ、バイデン大統領が電話を期待していることを伝えた。
習近平との約1時間の会談で、サリバン氏はバイデン政権の米中競争では「衝突や対立に転じるのを防ぐ」ことを再確認し、台湾海峡問題、ロシアのウクライナ侵攻、南シナ海問題についても議論した。
サリバン氏は、バイデン大統領と習近平は、今年後半にペルーで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)やG20首脳サミットで会う可能性があることを明らかにした。
台湾国防安全研究院の戦略と資源所の所長である蘇紫雲氏は次のように述べた。
「双方が具体的な成果を得ることはなく、立場の再表明と再確認に過ぎない。第二に、少なくとも会うことで、双方が偶発的な衝突に突入する可能性が抑えられる。第三に、アメリカの選挙前に習近平がサリバン氏と会ったことは、バイデン大統領と習近平の通話の前の会合を示唆しており、間接的に北京が民主党陣営に対して比較的好意的であることを示している」
しかし、中共は、同時に共和党の大統領候補であるトランプ氏に対しても好意を表している。
イギリスの『フィナンシャル・タイムズ』は28日、北京がトランプ氏の選挙チームとの接触を試みたことを報じた。トランプ政権下で駐米大使を務めた崔天凱氏を動員したにもかかわらず、8人の情報通によれば、これらの努力はすべて無駄に終わったという。
崔天凱氏は中共の官僚の中で最も優れたワシントンの人脈を持っている。トランプ政権の時期に、彼はトランプの娘イヴァンカ氏とその夫ジャレッド・クシュナー氏との関係を築いた。クシュナー氏はトランプ氏の上級顧問だった。
ウィルソンセンターのキッシンジャー米中研究所所長であるロバート・デイリー氏は、「このような議論が中国の影響力行使と解釈される可能性がある場合、トランプチームは現時点で崔天凱氏と会うことで何の利点があるのかを考えている」と状況が変わったことを指摘している。
大紀元のコラムニスト王赫氏は、アメリカの選挙結果がまだ出ていないため、中共が二つの準備を進めていると分析している。
「中共にとって、これは二重の賭けだ。バイデン政権には4か月以上の任期が残っており、その間に米中関係を安定させ、新政権との接続に向けて良好な基盤を築く必要がある。また、トランプチームとのコミュニケーションも行い、その目的は、来年のアメリカの新政権がトランプ2.0版であった場合に、彼らが緩和のための布石を持てるようにすることだ」
報道によると、トランプ政権時の国家安全保障副顧問だったビクトリア・コーツ氏は、将来のトランプ政権の官僚が中共のような敵国との会談に慎重になるのは驚くべきことではないと述べている。これは、彼らが中共に操られる可能性が高く、敵と結託していると誤解される恐れがあるからだ。
台湾大学政治学部の副教授、陳世民氏は次のように述べた。
「私の個人的な意見としては、選挙前に中共ができることは非常に限られている。大統領選挙前には、民主党と共和党の両方が中共に対して強硬な姿勢を取ろうと競い合うと信じている。ここ数年のアメリカの世論調査からも明らかに見て取れるように、アメリカの一般市民は中共に対してかなりの不満を抱いている。現在のアメリカの二大政党候補者はこうした民意に応える必要がある。理由はこれだ」
報道によると、カマラ・ハリス氏がバイデン氏に代わって民主党の候補者となった後、ワシントンの外交官たちは彼女のチームとの接触を急いでいる。しかし、ハリス側のあるの助手は、彼女の中共に対する立場を北京は理解している。つまりその事は、中国との競争にアメリカが必ず勝利するためだと述べている
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