「中秋の名月(十五夜)」を控えるなか、最近、中国のスーパーマーケットで売られていた「肉あん」月餅のなかから、「人の歯」と思われる異物が出てきたことがわかった。
問題の月餅(げっぺい)を売っていたスーパーマーケットは、米ウォルマート傘下の会員制スーパー「サムズクラブ(山姆会員商店)」である。
購入者にして被害者の女性(江蘇省常州市)は、月餅から出てきた「異物」を撮影し、「家族がこの月餅を食べてしまったよ! 恐ろし過ぎる!」と震えていた。
「人歯月餅」の動画付き投稿は華人圏で拡散され、中国産月餅の安全性に関する懸念の声が再度広がった。
「異物は人の歯に見える、となると、この肉(餡)は人肉ということになるのか!」といった不安が広がり、いくら偽物には慣れっこの中国人でも、「人肉月餅」疑惑のこの事件に衝撃を受けたというユーザーも少なくない。
月餅から「歯」が出てきた件に対し、スーパーマーケットの職員はメディアの取材に対し、「経営陣がこの事態に対処している」とだけ答えている。
(月餅から出てきた「人の歯」らしき異物)
過去にも、月餅にまつわる、様々な「事件」が起きている。
例えば、昨年10月、江蘇省徐州市である男性は顧客にプレゼントするために月餅を800箱購入した。後に顧客から「もらった月餅の賞味期限が9年前に切れていた」と告げられたのだ。この件について、月餅を販売したスタッフは「日付を間違えて印刷してしまった」と主張しているが、ネット上では「賞味期限ですら間違えるようでは、品質も悪いはずだ、無責任だ」といった反発の声も少なくない。
今年の「中秋の名月(十五夜)」は9月17日、火曜日である。
中国で、この日は「中秋節」と呼ばれている。家族団らんで夜空の月を見ながら、満月をかたどった焼き菓子の月餅を食べるのが華人圏の慣わしとなっている。
季節の縁起物であり、楽しい年中行事の主役である「月餅」。しかし、毎年のことだが、「中秋節」が近づくと、華人圏では「市場に大量流通している偽物や、体に悪い危険な中国産月餅」に対する注意の呼びかけが必ず起こる。
何しろ、「偽物大国」と名高い中国である。身に着けるものならまだしも、食べ物の偽物は特に問題だ。
「中秋財」という言葉があるほど、月餅の季節になると、あの手この手を使って儲けようとするな悪徳業者が絶えない。
「多くの中国産月餅の餡が人工的に作られた偽物で、非衛生的な工場で作られる場合もあるし、とにかく化学物質が大量に含まれている」として多くの関係者が注意喚起している。
実際、中国の食品安全基準は、欧米諸国の基準よりはるかにハードルが低い。中国製の月餅についても、欧米では禁止されている添加物を含めて、中国政府は百種類以上の化学添加物を許可している。
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