浸透工作 北では日本経済の生命線を脅かし、南シナ海周辺の東南アジア諸国に対して決定的な影響力

台湾総統が指摘 中共の台湾侵攻は領土のためではなく、世界覇権のため

2024/09/07
更新: 2024/09/07

台湾の頼 清徳総統は、中共が台湾を併吞しようとしている問題について、「中共の真の目的は領土保全ではなく、西太平洋や世界での覇権を確立し、世界秩序を変えることである」と強調した。もし領土保全が目的であれば、中共はなぜ《アイグン条約》でロシアに占領された土地を取り戻そうとしないのかという問いかけを行った。

一部の分析によれば、第二次世界大戦後の台湾の帰属問題は中共とは無関係であり、江澤民は歴史上の中露間のすべての不平等条約を認めている。中共は「愛国」を掲げているが、実際には国を売っていたのだ。

頼 清徳総統は9月1日の夜、台湾のテレビ番組「雅琴看世界」のインタビューで、「中共が台湾を併吞しようとしているのは、領土保全のためではない。本当に領土保全を重視するのであれば、なぜロシアが占有している『アイグン条約』に基づく土地を取り戻そうとしないのか?」と述べた。

頼 清徳氏はさらに、「清朝時代に締結された『アイグン条約』に基づく土地について、中国(中共)は現在、ロシアに対して要求することが可能であるが、それを行っていない」と指摘し、これが明らかに領土問題ではなく、台湾侵略の意図を示していると述べた。また、現在のロシアが「最も弱い状態」にあることにも言及した。

頼 清徳氏は、「中共が台湾を侵略する目的は、ルールに基づく世界秩序を変え、西太平洋および国際社会における覇権を確立することである」と強調した。

頼 清徳氏の発言は、台湾国内で放送されてから短期間で世界中で注目を集めた。華語圏の人々やメディアの間で急速に広まり、熱心に議論されている。アメリカの『ニューズウィーク』、『ボイス・オブ・アメリカ』、『ABC』、『ワシントン・ポスト』、イギリスの『ロイター』、『ガーディアン』、ドイツの『ディー・ツァイト』、インドの『アジアタイムズ』など、世界の主要メディアも関連する報道を行っている。

アメリカ在住の時事評論家、唐靖遠氏は大紀元に対して、頼 清徳氏の発言が大きな反響を呼んだ理由は二つあると述べている。「一つは、頼 清徳氏が台湾の歴代指導者の中で初めて、中共が台湾に出兵する動機を、公然と直接指摘したこと。二つ目は、中共がロシアに国土を売り渡している事実を公に言及したことである」とし、このような発言は「台湾の指導者の中では非常に珍しく、中共に対する刺激も非常に強い」との見解を示している。

3万VS100万

元北京の弁護士、賴建平氏は大紀元のインタビューで「頼 清徳氏は皆が言いたいが言えなかったことを言った。中共に対して強烈な一撃を与えた。台湾は3万平方キロメートルに過ぎないが、ロシアに奪われた領土は百万平方キロメートル以上ある。なぜロシアに領土を要求せず、台湾の数万平方キロメートルに目を向けるのか?」と述べた。

中共の外交部や官営メディアは、この発言に対して沈黙を保っているが、ロシア政府は異常なまでに迅速に反応した。

ロシア外務省は9月3日に声明を発表し、マリア・ザハロワ報道官が、ロシアと中国が互いに領土要求を放棄したことは、2001年7月16日に両国が署名した「近隣友好協力条約」に記載されていると指摘した。

また、ロシアと中国は2004年10月14日に「ロシア・中国国境東部に関する補足協定」に署名し、国境問題を最終的に解決したと説明している。

さらにザハロワ氏は、この立場がロシアと中国の最高指導層によって確認された共同文書に基づいているとし、台湾政府の指導者は、北京を代表していかなる声明も発表する権限を持っていないと述べた。

台湾の次は日本か?

アメリカに住む時事評論家の藍述(らんじゅつ)氏は、中共が台湾を制圧すれば、南シナ海における決定的な発言権を得ることになると指摘している。

藍述氏は「中共が台湾と南シナ海を制圧すれば、北では日本経済の生命線を脅かし、南シナ海周辺の東南アジア諸国に対して決定的な影響力を持つことになる。また、世界経済の生命線に対しても大きな発言権を得ることになる。さらに、南ではアメリカや自由世界にとって非常に重要な同盟国であるオーストラリアを脅かすことも可能である。もちろん、中共が台湾を制圧すれば、先進的なチップの生産基地を掌握し、西太平洋全体への拡張の扉が開くことになる」と述べている。

藍述氏は、台湾と南シナ海が中共のインド太平洋地域における拡張に対して、多重の意味を持つと考えており、これが中共が南シナ海で拡張を続ける理由だとしている。

呈工
寧芯
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