社会問題 「夏雪は亡霊の冤罪と怨念」

【動画あり】猛暑40度の中国重慶市で「雪」

2024/09/10
更新: 2024/09/10

真夏日が続くなか、中国で「またしても」降るはずもないのに雪が降った。

今回降った場所は、気温40度以上の猛暑日が続く「火焔山」と呼ばれる重慶市だ。

最近、重慶市で「雪や雹が降っていた」ことを示す動画はすでに多くの現地ユーザーがSNSに投稿しており、「夏に降る雪」の動画は一部中国メディアも取り上げている。

一部のネット投稿動画によれば、5日午後6時30分ごろ、重慶市墊江県の高速鉄道駅で雪や雹が降った。現地市民によると、雪は「限られたごく一部の地域のみ」で、動画撮影された所でしか降らなかったという。

しかし、これらの「反論できない数々の映像」を前にしても、現地の気象当局は8日、「最近、雪が降ったという状況は確認していない」と主張している。

当局の主張に、ネット上では「現に雪を撮影した動画がたくさん投稿されているのに、確認していないとはどういうことだ? 気象部門は重大な職務怠慢だ」とする非難の声が殺到している。

 

 

関連動画に寄せられたコメントのうち、「どんだけの怨念が積もってるんだ?」とするコメントには多くの「いいね!」がついている。

というのは、「夏に降る雪」、「六月飛霜(雪)」という言葉を聞くと、中国人であれば、誰でもすぐ脳裏に浮かぶ言葉、それは「冤罪」だからだ。

この頃、中国各地で相次いで「夏雪」が確認されており、当局は神経を尖らせている。

 

「六月飛霜(雪)」

中国では古来から「夏に降る雪は冤罪の意味を示唆しており、亡霊の怨念や慷慨悲憤(こうがいひふん・社会の不義・不正や自らの運命などに憤りをおぼえ、嘆き悲しむこと)が神を動かしたから」といわれている。

そのため、この異常気象を「神の怒り」や「不吉の前ぶれ」「天下大変の前兆」とする民間の言い伝えもある。

昔であれば、このようなめったに見られない現象が起きた時には、中国メディアも「夏の奇景」として浮かれた報道をしていたが、それが「常態」と化した今、国民が動揺するのを恐れているのか、あまり報道しなくなった。

それに現在の状況は、金融崩壊、不動産壊滅、経済破綻、失業者の爆発的増加、疫病の蔓延、異常気象による農業への打撃など、どれをとっても国の根本を揺るがす大問題を抱えている。

そうした切迫した状況に加え、自殺者の急増や無差別殺人など社会への報復事件が頻発し、怨念が渦巻き、邪気があふれるなか、「冤罪」や「怨念」を想起させる「六月飛霜(雪)」が「検閲対象」となった。SNSに投稿された関連情報の殆どは、封殺に遭っている。
 

中国河南省の地方銀行から預金を引き出せなくなった預金者たちが「河南省銀保監局」前で抗議をする様子、2022年6月25日(取材先より提供)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!