8月、中国自動車市場は前年同月比で販売が10.7%減少し、生産と販売は3か月連続で減少していることが、中国自動車工業協会(CAAM)の最新のデータから明らかになった。
その自動車工業協会が10日に発表したデータによれば、中国市場での8月の自動車販売台数は194.2万台で、前年同月比で10.7%減少した。一方、同時期の自動車輸出台数は51.1万台で、前年同月比で25.4%の増加であった。(販売台数と輸出台数の合計は245.3万台)
ところが、生産台数は、今年8月で見ると、249.2万台、販売台数は245.3万台で、前月比ではそれぞれ9%、8.5%の増加であったが、前年同月比ではそれぞれ3.2%と5%の減少である。
自動車の生産と販売の両方が前年同月比で明らかに減少していることについて、自動車工業協会の陳士華副秘書長は財新網に対し、現在国内消費が低迷しており、自動車は大量消費(企業や政府による大規模な公共事業や工業生産のための消費)に属するため、自動車消費に対する期待感も低いと分析している。
全体的に見ると、今年1月~8月の中国の累計自動車販売台数は1499.2万台で、前年同期間比で1.8%減少した。
中国の自動車市場は販売不振が続いており、最近発表された8月の製造業購買担当者指数(PMI)からもその状況が伺える。データによれば、8月のPMIは0.3ポイント低下し49.1となり、50を下回る縮小圏に入り、2023年7月以来の最低値を記録した。これは8月の製造業企業の生産活動が縮小されていることを示しており、特に自動車業界に関連する全鋼タイヤと半鋼タイヤの8月の平均稼働率もわずかに低下した。
国内の自動車生産と販売が減少している中で、自動車の輸出増加率も明らかに鈍化している。データによれば、今年の最初の8か月間におけるEVの輸出台数は81.8万台で、前年同期比で12.6%の増加となっているが、2022年と2023年のEVの輸出の前年同期比増加率はそれぞれ120.2%と77.6%であった。現在のデータから見ると、EVの輸出増加率は明らかに鈍化している。
財新網は、EVの輸出減少の主な原因として、欧州委員会が中国製EVに対して反補助金調査を開始したことを挙げている。
2023年10月、欧州委員会は中国製EVに対する反補助金調査を開始した。2024年7月4日、欧州委員会は中国製EVに対して4か月間の暫定的な補助金相殺関税を課すことを決定した。10月末までに、EU加盟国は調査の最終裁定結果に対して投票を行い、最終裁定結果が承認されれば、EUは中国製EVに対して5年間の正式な補助金相殺関税を課すことになる。
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