インド 中国の鉄鋼に最大30%の輸入関税

2024/09/12
更新: 2024/09/12

インド財務省は、中国およびベトナムからの鉄鋼製品の輸入に12%から30%の関税を科すと発表した。この措置は国内産業の保護と発展を長期的に図る目的のためである。一方、アメリカも同様の問題に対応し、鉄鋼産業への新たな対策を求めている。

ロイター通信によれば、インドは9月10日にこの措置命令を発表し、今後5年間で、中国およびベトナムからの溶接ステンレス鋼パイプに対して関税を科す。

2020年に、インドと中国の軍隊がヒマラヤの国境地域で衝突してから、両国の関係は緊張している。インドは中国からの投資の審査を強化し、重要なプロジェクトを停止した。

しかし、インドの外務大臣スブラマニヤム・ジャイシャンカル( Subrahmanyam Jaishankar) 氏は10日に、「インドは、中国からのビジネスを拒絶していない」と述べ、問題は、北京がどの業界で、どのような条件でビジネスを行うかにあると指摘したが、具体的な詳細には触れなかったという。

現在、中国の持続的な不動産危機は、国内の建設業を縮小させ、鋼鉄の供給過剰を引き起こしている。他の地域にとって、中国の過剰製品はダンピングの懸念を生じさせ、自国製品の価格を押し下げ、工場の閉鎖や労働者の失業を引き起こす可能性があるという。

今年の初め、バイデン米大統領は、アメリカ鉄鋼労働者連合での演説で、中国からの鉄鋼とアルミニウムに対して、より高い関税を科すよう呼びかけた。彼の経済顧問であるラエル・ブレイナード(Lael Brainard)氏は、北京の政策が引き起こした生産過剰が、アメリカの鉄鋼およびアルミニウム産業の未来に深刻な脅威をもたらしていると指摘した。また、アメリカ政府はメキシコなどの第三国を通じて輸入される中国の鉄鋼を抑制するための措置も講じ始めている。

インド政府は8月に、ベトナムからの特定の鉄鋼製品に対して反ダンピング調査を開始した。

先月、中国共産党の党首である習近平が、北京でベトナムの新しい指導者トー・ラム氏と会談した。

中国からの輸入品の影響 インドの鉄鋼価格が急落

ロイターの報道によれば、世界第2位の粗鋼生産国であるインドは、2023年3月までの会計年度において鉄鋼の純輸入国に転じ、2023年4月から始まった新しい会計年度の最初の4か月間でもこの傾向が続いているとのことである。

インドの鉄鋼大臣は9月4日に、国内の鉄鋼工場を、中国などからの安価な輸入品の影響から守るために、財務省に鉄鋼の輸入関税を引き上げるよう説得を試みると述べた。

4~7月の間に、中国はインドへの最大鉄鋼輸出国となり、インドに約80.7万トンの鉄鋼を輸出した。次いで日本と韓国が続いている。

インドのH.D.クマラスワミ鉄鋼大臣は、業界会議の合間に記者に対して、安価な輸入品の影響から業界を保護するために、鉄鋼省に対して複数の措置を講じるよう求めたことを明らかにした。その中には、輸入鉄鋼に対する関税引き上げを支持する業界の要求も含まれている。

クマラスワミ大臣は、「私たちの鉄鋼業界は多くの課題に直面しており、困難な状況にある」と述べた。

同時に、インド最大の鉄鋼生産者であるJSWスチールやタタスチールは、業界が政府と貿易措置について協議を行っていると報告している。

商品コンサルティング会社BigMintのデータによると、輸入の増加と輸出の低迷により、インドの鉄鋼価格は3年余りで最低水準に急落した。

李言
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