今月から各国で新学期が始まった。
しかし、中国のある村で子供たちが「学校に行きたい!」と村政府の前で横断幕を掲げている。
山西省太原市にある町「北格鎮」の政府前や政府ロビーで撮影された映像や画像のなかには、「村長のおじさん、私は学校に行きたい!!」と書かれた赤い横断幕を広げる制服姿の小学生たちの姿があった。
投稿者によると、スクールバスが運行停止になったため、子どもたちは小学校に通うことが困難になり、こうして政府前で横断幕を広げて権利擁護しているのだという。
スクールバスが運行停止になった理由は、「村がバスの運転手への給料が支払えないためだ」と中国メディア(「黄河電視台」2022年03月21日付)が2年以上も前から報じていた。なお、バスの運転手の月給は4千元(約8万円)だという。
スクールバスが運行しなくなったため、村民たちは毎日子供たちを数キロ離れた隣村の学校への送り迎えを余儀なくされている。小学校への道は舗装されていないでこぼこ道で、バイクを運転できない村民も少なくなく、自転車での送り迎えをする途中で事故に遭ったり、転んでけがする人が続出するなど、送迎は困難を極めているのだという。
「子供たちに横断幕を広げさせた」理由については、「横断幕を広げるのが大人の場合、安定維持の名目のもと警察に弾圧され逮捕されるからだ」だという。
ネットでは、「可哀そうな子供たち」と嘆く声も広がっており、なかには「小学校で洗脳教育を受けるくらいなら、いっそのこと学校になど行かなくてもいいんじゃないか」といったリアルな声もあがっていた。
(町政府前で横断幕を掲げる小学生集団 山西省太原市北格鎮)
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