小泉、高市氏 中国の安価な鉄鋼に対抗するため日米協力の強化を示唆

2024/09/17
更新: 2024/09/17

日本製鉄USスチール買収を巡って、日本とアメリカが対立している中、政府与党自民党の次期総裁候補者の一人、小泉進次郎元環境大臣がアメリカとの協力を呼びかけた。日本とアメリカの両国は、安価な中国製鉄鋼の輸入を抑制しようとしている。

ロイター通信によると、小泉元環境大臣は、14日、鉄鋼業界に関しては日本と米国は対立すべきではなく、中国の鉄鋼業界から生じる「共通の課題」に共に立ち向かうべきだと述べ「もし中国が再生可能あるいはクリーンなエネルギーを使わずに安価な鉄鋼を生産し、世界市場に氾濫すれば、公正な市場ルールに従って行動する我々民主主義国に最も悪影響を与えるだろう」と語った。

同じく総裁選に立候補している高市早苗経済安全保障担当大臣も、土曜日に行われた自民党の他の代​​表候補8名が出席した同じ討論会で、日米同盟関係の中で鉄鋼業界の体力を力を合わせて強めていくのが本来の目的と述べた。

世界で4番目に大きな鉄鋼メーカーの日本製鉄は昨年、USスチールを149億ドル(約2兆920億円・現金)で買収することを発表した。USスチールの株主は4月にこの提案を承認したものの、労働組合員やカマラ・ハリス副大統領、前大統領のドナルド・トランプ氏の両大統領候補も日本製鉄による買収に反対している。

バイデン大統領は「鉄鋼は国家安全保障上の重要な産業だ。親密な同盟国であっても、法律に基づき、精査を受ける価値がある」として、慎重に検討する姿勢を強調している。またアメリカの対米外国投資委員会(CFIUS)は、この取引に対する2回目の90日間の審査を行っており、今月中に勧告を出すか、さらに90日間の審査延長を行う可能性がでてきた。

その一方で日本とアメリカの鉄鋼業界は、中国からの安価な鉄鋼輸出を大きな問題と見なしており、こうした背景の中、小泉氏や高市氏らの発言は注目を集めている。

すでにアメリカ政府は、中国の国営メーカーがメキシコを経由してアメリカに輸出することで関税を回避する抜け穴を塞ぐために、メキシコのオブラドール大統領の間で、、メキシコからアメリカに輸入される鉄鋼は、メキシコ、アメリカ、またはカナダのいずれかで「溶解および鋳造」されたものでなければならず、そうでなければ25%の関税が課されるという協定を7月に締結している。

また、日本製鉄は日本政府に対し、中国からの鉄鋼輸入を抑制するよう働きかけている。中国は数年間、世界最大の鉄鋼生産国であり続けてきたが、現在、その業界は国内外で課題に直面している。

ロイター通信によると、HSBCのアナリストは、中国国内での不動産建設が世界の鉄鋼消費の約4分の1を占めることが多いと、指摘している。

しかし、中国の不動産業界の崩壊により、需要が急減し、2023年には中国の粗鋼純輸出が2022年から64%増加した。

中国共産党(CCP)は、世界市場での支配的な地位を確立するために、中国の鉄鋼業界を積極的に拡大してきたが、他国の反ダンピング措置が中国の供給過剰問題を悪化させている。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。
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