中国製EVの事故や炎上ケースが多発しており、「中国製EVに乗るのは命がけで」というのが定番の皮肉として定着しつつある。
今月10日、中国の新興EV「理想汽車(リ・オート)」のSUVが危うく事故を起こしそうになるハプニングが発生した。なんと、「自動駐車モード」中に突然、車道に飛び出したのだ。
この「ハプニング」の一部始終を道端の店の監視カメラが捉えていた。それによると、その日の午後4時50分ごろ、「理想L9」のSUVが路肩の駐車スペース近くまで来ると、車内から運転手と思われる若い男性が降りてきた。「愛車の駐車はシステムに任せた」と男性はさっそうとして道路脇の店舗に入った。
そこで、無人になった男性の「愛車」は、最初は指示通り、駐車スペースに入ろうと「奮闘」していたようだった。しかし、始終うまく入れなかった。すると、車は突然任務の「駐車スペース」から離れ、そのまま車が行き交う車道に出たのだ。幸いなことに、行き来する他の車はいずれも間一髪でこの突然飛び出して来た「邪魔者」を避けて通ったため、衝突事故には至らなかった。
ようやく、このやばい事態に気づいた運転手の男性は、店から走り出し、慌てて愛車の中に乗り込んで、そのままどこかへ走らせていった。
「事件」が起きた場所は不明だが、ナンバープレートは安徽省合肥市のものだった。
関連動画がSNSで拡散されると、いつもながらの皮肉と共に、中国産EVの安全性、というより「危険性」への懸念が広がった。
「なるほど、ネーム通りの理想を持つ車だ、自分の考えをしっかり持ってらしゃる……って、なんでこんな難しい駐車スペースに停めさせるんだ! やーめた! と」
「EV購入して後悔」
中国当局が巨額の補助金を支給し、海外への中国製EVのダンピング輸出が急拡大している。
一方で、突然の加速、突然ガードレールに衝突する、道路上の障害物を認識できない、自動駐車中モード中に衝突するなどなど、中国製EVをめぐる安全性に関わるトラブルが相次いでおり、中国国内では中国製EVを購入して後悔する人が増えている。
しかし、中国産EV車所有者たちによる涙の告発の声は、中国国内ではすぐに消されてしまう。告発者のみならず、関連動画をシェアしただけのユーザーであってもSNSアカウントを封殺されている。
アメリカ経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーが今年3月に公表した報告書によると、「2023年、中国製EVのオーナーのうち22%が、EVを購入したことを後悔している」という。2022年ではわずか3%だった。
(2024年6月9日、中国四川省の路上で燃えるBYDのEV)
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