中東・アフリカ ヒズボラメンバー20人が死亡 数百人が負傷

レバノンでトランシーバー爆発  ヒズボラメンバー 20人が死亡 、数百人が負傷

2024/09/19
更新: 2024/09/19

9月17日、武装組織ヒズボラレバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織)のメンバーが使用していた数千台のポケベルがレバノン各地で爆発し、翌18日にはヒズボラのメンバーが使用していたトランシーバーも爆発した。爆発は、機器に仕込まれた爆薬によって引き起こされたという情報がある。この連続する爆発事件は、中東地域の緊張を一層高めている。

レバノン保健省によると、18日の爆発で少なくとも20人が死亡し、450人以上が負傷した。

前日の17日には、ヒズボラのメンバーが使用していた数千台のポケベルが一斉に爆発し、少なくとも12人が死亡し、子供も含むという。さらに数千人が負傷した。

アメリカ国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は、ホワイトハウスの記者会見で「私たちは、昨日、今日の爆発事件にいかなる形でも関与していない。これ以上の情報はない」と述べた。

レバノン各地で再び通信機器の爆発事件が発生

ロイターの報道によると、18日の午後遅く、レバノン南部と首都ベイルート南郊で、ヒズボラのメンバーが使用していた手持ちのトランシーバーが爆発したと、情報筋と目撃者が明らかにした。18日、ヒズボラは17日に発生したトランシーバーの爆発で亡くなった人々の葬儀を行っており、その葬儀中、少なくとも一件のトランシーバー爆発が発生した。

AP通信の現地記者も報告し、18日にヒズボラメンバー3人と1人の子供の葬儀の場で、複数の爆発が起こったと伝えている。

CNNの報道によると、情報筋は、首都ベイルート南郊で15から20件の爆発が発生し、レバノン南部でも同様に15から20件の爆発があったと述べている。

ヒズボラが運営するテレビ局アルマナルは18日に、レバノンの複数地域で爆発が発生したと報じ、これはトランシーバーの爆発によるものであるとしている。

レバノン国営通信社NNAによると、18日にレバノンの複数の地点で通信機器の爆発が相次いで発生した。レバノンのベッカー高原のSohmor町では不明な装置が爆発し、3人が死亡した。また、複数の地域の住宅で太陽光発電システムが爆発し、1人の少女が負傷したとの報道がある。

レバノン軍はX(旧Twitter)を通じて市民に警告を発し、「軍司令部は市民に対し、事件が発生している現場には近づかないよう求めている。医療チームがスムーズに到着できるように」と呼び掛けている。

ロイターが撮影した写真によると、18日、緊急サービス部門はレバノンの港町シドンでさらなる爆発事件に対応している。

AFPが撮影した別の映像では、ベイルートの人々が逃げ回っている様子が映し出されている。

ベイルート南郊で、ヒズボラのメンバーの葬儀に参加していた目撃者は、CNNに対して現場の混乱した状況を説明した。トランシーバーは現地時間の18日午後5時頃に爆発したとされている。

目撃者によると、爆発を引き起こしたトランシーバーを持っていた男性は、全身が血まみれで、手が吹き飛んでいたとのことである。

機器に爆薬を仕込んだのか?

安全情報筋はロイターに対し、ヒズボラが5か月前にこれらのトランシーバーを購入し、同時期にポケベルも購入したと述べた。

ヒズボラのメンバーは、イスラエルによる位置追跡を避けるためにポケベルを通信手段として利用してきた。分析家たちは、イスラエルの行動がヒズボラの弱点を突き、彼らの主要な通信手段を奪ったと考えている。

レバノンの高官と別の情報筋はロイターに対し、イスラエルの諜報機関モサドが外国の領土で複雑な作戦を行ってきた歴史があると述べ、モサドが数か月前にヒズボラが輸入したポケベルに爆薬を仕込んだと伝えた。

情報筋はロイターに対して、「モサドは装置の内部に爆発性物質を含む板を設置し、コードを受信できるようにした。その板はさまざまな方法で検査しても、なかなか見つけることができない」と述べた。

この情報筋によると、約3千台のポケベルが暗号メッセージを受信した後、爆薬が作動し、爆発が発生したとのことである。

別の安全保障の情報筋によれば、各ポケベルには約3グラムの爆薬が隠されており、数か月が経過してもヒズボラはそれを「発見していなかった」とされている。

イスラエルはこれまでのところ、爆発事件について沈黙を守っている。

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