今年の「中秋の名月(十五夜)」こと「中秋節(今年は17日だった)」は、「節(中国では、節句、記念日、祝祭日の意)」と中国語で同音漢字の「劫」とかけあわせて「中秋劫」などと呼ばれるようになっていた。
その不名誉な呼び名の由来はご想像の通りである。
昔は中秋節前後になると関連商品の関係者はとにかく儲かるため、「中秋財」という言葉が作られたほどだ。しかし、今年は「財」どころか、「とにかく売れず、赤字だ」というところが多く、関係者にとってはまさしく「劫難」だった。
さて、今年の「中秋劫」で「売れなかった」のは月餅だけじゃない。かつて「中秋節」の食卓に欠かせない「名酒」も「上海ガニ」も、全て「売れなかった」のだ。
中国メディアが引用した複数の酒類販売業者の話によると、「今年の中秋節の酒の売れ行きは明らかに例年より悪く、販売量は昨年の3分の1か5割程度」だったという。
いっぽう、中秋節ときたら、なんといっても「月餅」だ。今年は価格500元(約1万円)以上の高級月餅のギフトセットは全滅したそうだ。あの手この手使ってなんとか売り出せたものはいずれも「お安い」月餅で、それでも月餅の価格は全体的に以前よりだいぶ安くなっていた。
なかにはたかが20元(約400円)の月餅ギフトセットであるのに、「それを買えば赤ワインが1本、もれなく付いてくる」とか、「月餅1箱買ったらもう1箱タダであげる」といった各種キャンペーンやセールが行われていた。
月餅市場の冷え込みに、「美心月餅」「広州酒家」、「栄華」、「金九」といった著名な月餅ブランドまで今年は、早くから1~2割引きのセールを始めていた。
中国の月餅が売れなくなった背景には、中国経済の全般的な苦境のほかに、近年相次いだ「月餅にまつわる安全性の問題」が原因でもあった。
月餅を買う人がどんどん少なくなったのは、経済的な面は避けられないにしても、利益追求至上主義で食品安全を疎かにしてきた売り手側の、いわば自業自得ともいえるのではないか?
(床に落ちた月餅の食べカスを食べてたアリの大群が全滅していた)
(犬も食わない危険な中国産月餅)
(学校から支給された石のように固い月餅)
(会社から支給された石のように固い月餅)
(人工的に作られた偽物の中国産月餅の黄身の餡)
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