中国南部の広東省深セン市で日本人学校に通う男子児童が、登校中に刃物で刺され死亡した事件を受け、中国にいる邦人の間で警戒と不安が高まるなか、死亡した男児を追悼する動きが中国の民間で広がっている。
死亡した男児の通う日本人学校では、多くの中国市民が花を手向けにきており、直接現地へ行けない市民はネットを通じて花束を注文し、現場へ届けさせている。
「子どもよ、ごめんね、深セン人より」
「ごめんなさい、子どもの死が本当に悲しい、この沈黙をお詫びします、中国の記者より」
花束に添えられたメッセージカードには、男児の死を悼む中国市民のお詫びの言葉が綴られており、現場では「ヘイト教育に反対!」と叫ぶ市民の姿も。
いっぽうで、中国共産党(中共)の官製メディア各社(財新網、鳳凰網、第一財経、環球網)による事件の関連報道は、後に削除されたことがわかった。
事件について、現地の官製メディアは「単独犯による偶発的な案件」と主張し、動機については報じていない。
「反日教育に根源がある」
この事件は「中共による長年にわたる反日教育に根源がある」と多くの専門家が指摘する。
米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)は学者の陸軍氏の話を引用して、次のように伝えた。
「中国共産党政府は長年にわたって反日・反米プロパガンダを行い、それに関連するドラマや映画を放送して、国民を洗脳してきた。こうした洗脳教育は、確実に人々の価値感や判断に影響を与えている。この事件は見かけ上は個人的な犯行であるが、背景にはこうした社会的背景がある」
「これまで中共当局は、何度も反米・反日・反西側のブームを巻き起こしてきた。多くの人がこの種のプロパガンダに影響され、次第に基本的な判断力を失い、ついには人間性さえも喪失した。中国人はこうして中共当局の手先となってしまった」
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