「私は被害を受けた住民の1人だが、突然、家を失った、この事件が世論の注目を集められなかったら、この件はきっとうやむやにされて済まされるだけだ」
26日午前3時20分ごろ、中国貴州省遵義市の町「正安県」の集合住宅地「狀元閣小区」に巨石が降ってきた。巨大な石は170余の世帯が入居する20数階建ての集合住宅ビルを直撃し、多くの住民の家を無残に破壊した。
巨石「降臨」の原因は、「隣の建設業者による爆破だ」と住民たちは確信しているのに対し、現地当局は「石は地滑りによって転げ落ちてきたものだ」と主張している。
政府が工事業者の「肩を持つ」のには理由があるようだ。現地民によると、問題の「建設業者」が施工するプロジェクトは政府投資のものだという。
「隣の建築業者は昼間も爆破をやっている。あの夜はさらに大規模な爆破が行われたんだ。巨石が飛んできた時、大きな爆発音とともに、火薬のにおいがしていた、それを多くの人が嗅いでいる。そして、爆破があったことの痕跡をも確認できるのに、政府はそれを認めないんだ」
「ここではずっと雨も降ってないんだ、地すべりのはずがないだろう」と住民らは怒りを露わにする。
「世論の注目を集められなかった場合、この件はきっとうやむやにされて済まされるだけだ」と過去の経験から直感的にわかっている住民たちは、SNSに現地の状況を相次いで投稿してSOS発信し、注目と拡散を乞うた。
いっぽう、現地では「家がなくなった!」と騒ぐ住民の口を塞ごうと、政府側は各種ルート通じて住民たちに連絡を取り、「SNS投稿を削除しろ」「外国メディアの取材には応じるな、口を閉じろ」と迫っているという。
「私たちは政府に脅されている、私たち住民がSNSに投稿した関連映像や情報は『デマ』と呼ばれ、それらを削除しなければ逮捕すると脅されている」
「しかし、そのどこがデマなんだ! 私たちが発信しているのは真相で、私たちは被害者だ」と住民の1人、敏芬さんは涙ながらに訴えている。
(住民宅の監視カメラ映像)
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