9月24日、中国青海省にある村で、有害ガス漏れによる村民の死亡事件が発生した。
事件が起きたのは青海省・海西モンゴル族チベット族自治州にあるゴルムド市の村「鹽(塩)橋村」である。
この村に住む劉さん一家は、有害ガスを吸入して次々と意識を失い、5人が死亡した。
劉さんの親友が、中国メディアに対して明かした当時の状況によれば、この日の夕方、まずは劉おじいちゃんが自宅のトイレで突然気を失ったという。
これに気づいたその息子は、おじいちゃんを病院に運んだ。しかし、おじいちゃんが病院で治療を受けている間、今度はおばあちゃんが倒れたとの連絡が入り、息子さんは急いでおばあちゃんを助けに自宅に駆け戻ることになった。その結果、倒れた人を助けに入った別の人が倒れ、というふうに一家の人が次々と倒れたという。
ようやく、家の外にまで充満する刺激臭を嗅ぎつけた村民は、息を止めて劉さんの家に入り、中で倒れていた5人を外へ運び出した。しかし最終的に、最初に倒れた劉おじいちゃんと子供3人以外の家族全員(5人)は亡くなってしまった。
「当時、劉さんの家は、周囲数十メートル離れていても刺激臭がしていた」という。
「劉さん一家だけでなく、他の村民宅でも被害を受けているが、具体的な被害状況はまだわからない」と劉さんの遠い親戚はいう。
「有毒ガスが下水道を通って、便器を通って家の中に広がったのではないか」と村民は疑っているが、その有毒ガスが何であるのかに関する現地当局の知らせては、まだないという。
現在、村に通じる付近道路はすべて閉鎖され、村民はホテルなど、他所への移動を余儀なくされている。
現地当局は28日になってようやく「24日に起きた事件」に関する発表を行い、「有毒有害ガスが発生した」ことを認めた。それによると、被害を受けた2世帯あわせて計6人が死亡したという。ガス発生の原因についてはまだ調査中としている。
近年、中国各地で「硫化水素ガスの漏洩」という事故が相次いでることもあり、ネット上では「それが原因なのだろうか?」と疑う声が広がっている。
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