10月4日の午前中、アメリカ海軍のシーウルフ級原子力潜水艦シーウルフが日本に到着した。この動きは、アメリカが太平洋地域の安全保障を強化し、技術的に進んだ海軍力を展開することを目的とするものだ。

アメリカ海軍はシーウルフ級の潜水艦を3隻しか建造しておらず、アメリカ国防総省はこれらの最強潜水艦の動きについて常に高度な秘密を保持している。特にこの3隻の先進的で神秘的な「シーウルフ」級潜水艦は、情報収集や特別任務の実行に主に使用される原子力動力の高速攻撃潜水艦だ。

シーウルフはシーウルフ級原子力潜水艦の初号艦であり、非常に高い静粛性、速度、先進的な装備を備え、最新のセンサーを搭載している。各潜水艦には8つの魚雷発射管が装備されており、魚雷室には最大50発の武器が搭載可能だ。地上攻撃巡航ミサイルや魚雷を含み、その火力は敵艦隊や空母群を沈めるのに十分だ。

アメリカ海軍研究所の報告によれば、シーウルフ級潜水艦は元々深海作戦のために開発され、ソ連の潜水艦に対抗することを目的としていた。冷戦が終わった後、これらの潜水艦はアップグレードされ、より高度な任務を遂行できるようになった。神秘的な「ジミー・カーター号」には100フィートの船体延長部分があり、情報収集や特殊作戦の能力を強化している。

アメリカ海軍は53隻の原子力駆動の攻撃潜水艦艦隊を保有しており、敵艦を探し出して破壊し、さまざまな情報任務を遂行することを目指している。

アメリカ海軍は、軍事力を示し、同盟国を支援し、中国共産党（中共）を威嚇するために、西太平洋に攻撃型潜水艦を頻繁に展開している。昨年の9月23日には、25発の魚雷と12発の巡航ミサイルを装備したバージニア級攻撃潜水艦USSバーモントが韓国の釜山を訪れた。

2021年7月には、アメリカ海軍が太平洋でシーウルフ級原子力潜水艦の全3隻 、シーウルフ号、ジミー・カーター号、コネチカット号を同時に展開した。

海洋の軍事能力はアメリカ海軍の強みだが、中共はこのギャップを縮めるために絶えず努力している。中共は世界最大の海軍を保有しているが、原子力潜水艦の数は依然として限られている。

中共の海軍力拡張とアメリカとの技術差

アメリカ国防総省が昨年発表した報告書によると、2022年末時点で中共は48隻のディーゼル動力潜水艦と6隻の原子力潜水艦を保有している。

この報告書は、中共が新型攻撃潜水艦、水上艦艇、海軍航空機を開発する目的は、アメリカ及びその同盟国が衝突時に台湾を支援することに対抗し、第一列島線内で「海上優位」を実現するためだと指摘している。第一列島線とは、日本列島、台湾、フィリピンから南シナ海に至る一連の島々を指す。

「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、中共が原子力潜水艦の生産の多様化を進めていると報じている。これまで、関連する生産活動は主に東北の都市フルダオに集中していたが、現在は武漢近くの武昌造船所（Wuchang Shipyard）で原子力潜水艦の製造に移行している。

アメリカの複数のメディアが9月26日に報じたところによると、アメリカ国防総省の情報によれば、中共が新たに建造した原子力潜水艦が今年の春に武漢水域で沈没したという。その後、アメリカ国防総省の報道官は、その潜水艦は確かにドック近くで沈没したことを確認したが、潜水艦が原子力燃料を搭載しているかどうかは不明だとしている。

アメリカの高官は、中共海軍がその新型原子力攻撃潜水艦のドックでの沈没を、隠そうとしていることは驚くべきことではないと述べた。

台湾国防安全研究院の戦略と資源所の所長である蘇紫雲氏は大紀元に対し、現在の米中潜水艦の技術差は約1世代（約10年）であり、主に機械的な面での違いがあると指摘した。しかし、将来的にはこの差が2世代に拡大する可能性があるとし、中共の先進的なチップ技術が現在封鎖されており、20年前の水準にとどまっていると述べた。

「したがって、今後西側の民主国家と中共との対決のポイントは電子技術にあり、特に中共が先進的なチップ技術を獲得または突破できるかどうかにかかっている。獲得できなければ、中共はますます遅れをとることになるだろう」

編集追記

シーウルフ級原子力潜水艦　水中を支配する最強のハンター

シーウルフ級原子力潜水艦は、アメリカ海軍が誇る攻撃型原子力潜水艦で、冷戦時代にソ連の潜水艦に対抗するため、あらゆる面で圧倒的な性能を持つ艦として設計された。

　　　　　　　　圧倒的な性能

• 静粛性　最新の消音技術により、水中での探知を極めて困難にしており、「海の幽霊」とも呼ばれている。
• 高速性　 高速で長距離を航行できるため、広範囲を迅速に捜索できる。
• 攻撃力　 大量の魚雷やミサイルを搭載し、強力な攻撃力を持っている。
• 深海潜航能力　深海での作戦遂行も可能で、広大な海域を自由に動き回ることができる。