2024年10月11日午前2時半ごろ(現地時間)、中国北京市で、「またも」夜空が真っ赤に染め上げられる現象が発生した。
古書によると、空が血の色に染まるのは戦禍や王朝の終焉を告げる不吉な兆候であり、このような現象は往々にして「王朝末年に起こる」とされている。
「またも」といったのは、5月11日にも同様の現象が見られたからだ。「キレイ」と喜ぶ人もいれば、「恐ろしい」と畏れる老人もいた。
時事評論家の楊寧氏はかつてエポックタイムズへの寄稿のなかで次のように指摘している。
「古人は『天人合一』を重んじ、天(自然)と人間世界との間に相関関係がある。赤色の空が中国共産党の政治中枢である北京に現れた。このことは、中南海の上層部にとって非常に好ましくない凶兆を伝えている」
(2024年10月11日夜、「真っ赤に染まった」北京の空)
中国大動乱の予兆か
中国の古書によれば、歴史上、空が血の色に染まる現象は、往々にして王朝の末年に現れるという。その意味するところは戦禍や現政権の崩壊、さらには君主の不吉な運命とされている。
正史にも記録されている歴史的に有名な予言者、唐の時代の李淳風(りじゅんぷう)が書いた『乙巳占(おつみせん)』のなかにも「空が血の色に染まるのは、戦禍や流血などの不吉な兆候だ」と指摘する記載がある。
中国の歴史書『旧唐書(くとうじょ)』のなかにも、以下のような記載があった。
「755年に安史の乱(あんしのらん)が勃発した後、玄宗皇帝が長安を捨てて逃亡する途中、空に血のような赤色が出現した。この戦乱によって、唐の基盤は完全に揺らいだ」
明(みん)王朝の時にも、その滅亡前夜に、空が血のように赤く染まる異象が現れたことが、清代に編纂された中国最大の叢書『四庫全書』に記載されている。
中国は今、不動産業のどん底不振、金融の崩壊、経済の破綻、失業者の爆発的増加、疫病の蔓延、異常気象による農業への打撃など、どれをとっても国の根本を揺るがす大問題を抱えている。
そうした切迫した状況から、人々はそういった「不吉な現象」をより深刻に受け止め、中華民族に災難をもたらしてきた中国共産党による統治、「王朝の終焉」を心から祈る中国国民も多い。
(2024年10月11日夜、「真っ赤に染まった」北京の空)
(2024年10月11日夜、「真っ赤に染まった」北京の空)
「6万年に1度」の彗星
「血の色」に染まる空のほか、10月10日の夕方には「6万年に1度」といわれる彗星が北京上空を通過している。この彗星は10月1日にも北京の空に現れている。
古代中国では彗星を「災いの星」とみなし、君主、あるいは男性貴族の死や災難の予兆とされてきた。
「赤い空」や「彗星」など、「不吉な現象」が相次いでいる北京では、今、異様な雰囲気が漂っている。
(10月10日、北京上空を通過する「彗星」)
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