中共 富裕層の海外収益に課税? 富裕層海外逃亡加速

2024/10/18
更新: 2024/10/18

最近の報道によると、中国共産党(中共)は中国の超富裕層が海外で得た投資収益に対して、課税を行う計画を立てているとのことだ。専門家は、中共が再び資本家をターゲットにし、いわゆる「ニラを刈る」行為を行うと考えている。

財政危機に対処するために、中共の各級政府は今年に入ってから様々な手段を講じており、いわゆる「鍋を潰して鉄を売る(財産を投げ売ってでも資金を捻出する)」や、高速道路以外の道路に料金徴収、さらには「警察、公安、税務合成作戦センター」の設立などが含まれている。

ブルームバーグ・ニュースの10月15日の報道によれば、関係者の話で、最近数か月の間に中国の主要都市の富裕層たちが税務当局に呼び出され、過去数年にわたって未納の税金があるかどうかの評価を受けているとのことだ。課税率は最大20%に達する可能性があるという。「ターゲット」とされているのは、少なくとも1千万ドルのオフショア資産を持つ中国の富裕層や、一部の香港および米国上場企業の株主だ。

米国南カロライナ大学エイケンビジネススクールの謝田教授は、「中共の経済が低迷しているため、財政は赤字に陥り、税収が不足している。そのため、あらゆる可能な課税方法や対象を、探し求めている。隙間や機会を見つけると、すぐに課税を行う。したがって、中共は現在、選り好みせずに、資金を集めようとしている」と述べている。

米国にいる経済学者の黄大衛氏は、次のように述べている。「具体的には、これは財政収入の減少に関連しており、毎年財政収入が、前年同期比で大幅に減少している一方で、地方債務は同時に増加しており、政府は持続可能な発展を維持するために、新たな財政収入源を探さざるを得なくなっている。また、資本の流出の影響も無視できない。中国では毎年1兆人民元以上、約数千億ドルが、海外に流出しているのが見られる」

中共財政部が、最近発表したデータによると、1月から8月までの全国の税収は、12兆1059億人民元で、前年同期比で5.3%減少している。また、8月の中国における国有土地使用権の譲渡収入は、前年同期比で41.8%減少し、2か月連続で40%以上の減少を記録した。これは2015年6月以来の最大の単月減少となり、実際の状況は、さらに厳しいとされている。

土地の販売が減少し、経済成長が鈍化する中で、地方債務は高止まりしており、中共の危機感は高まっている。そのため、税収も厳しい状況に直面している。

黄大衛氏は次のように指摘している。

「高所得者層は税務面での柔軟性があり、彼らの脱税や法令順守の手段が、相対的に多いため、税務当局にとって常に課題となっている」

分析によると、このような課税はさまざまな要因に制約される可能性があり、中共の課税対象は選択的であるため、効果が薄いだけでなく、逆に悪影響をもたらす可能性がある。

謝田氏は次のように述べている。

「これらの海外資産に関して、例えば米国と中国の間に二重課税を回避する租税条約協定が存在することが挙げられる。また、これらの収入は追跡が非常に難しい。実際、これは猫とネズミの関係のようなものだと考えている。しかし、中共が他国に手を伸ばして、これらの資産を掘り起こそうとすると、大きな困難に直面するでしょう。そのため、多くの富裕層は、中国から、逃避を加速させる可能性がある」