厚生労働省の最新調査によると、2021年に学校を卒業して就職した人のうち、3年以内に仕事を辞めた人の割合はいずれも増加している。高校卒は38.4%(1.4ポイント増)、短大等は44.6%(2.0ポイント増)、大学卒は34.9%(2.6ポイント増)となった。若年層の早期離職が引き続き課題となっている。
特に、事業所規模が小さいほど高校・大学卒の離職率が高い傾向が見られた。5人未満の事業所では高校卒が62.5%(1.8ポイント増)、大学卒が59.1%(5.0ポイント増)と最も高い離職率を示した。
また、産業別では「宿泊業、飲食サービス業」が最も離職率が高く、高校卒で65.1%(同2.5ポイント増)、大学卒で56.6%(同5.2ポイント増)となった。次いで「生活関連サービス業、娯楽業」が高校卒で61.0%(同4.0ポイント増)、大学卒で53.7%(同5.7ポイント増)であり、両カテゴリとも離職率が50%を超えている。
離職率の高い上位5産業には、「サービスの対象が法人ではなく個人消費者である」という特徴が共通している。個人向けのサービス業では、休日や祝日に働く必要があったり、残業が発生しやすいため、長時間労働になりがちだ。これが若年層の離職率が高い要因の一つと考えられる。
厚生労働省は、新卒応援ハローワークなどを通じて、新規学卒就職者への職場定着支援や、離職者に対するきめ細かな就職支援を引き続き行っていく方針である。
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