社会問題 「人民を搾取するしか能のない祖国なぞ誰が守るか」

中国で「兵役拒否」の男性に重い罰

2024/10/26
更新: 2024/10/26

兵役拒否の男性に重い罰」の話題は24日、中国SNSウェイボー(微博)のトレンド入りして、物議を醸した。

兵役を断った若い男性は罰金6千元(約13万円)、2年内の出国禁止、進学禁止、試験応募禁止、公務員応募禁止、国有企業への就職禁止、営業許可申請禁止、ローン申請禁止など7つの罰を受けたという。

この件は中国メディアでも取り上げており、関連ニュースをめぐっては「兵役を強制するのはおかしい!」「罰が重すぎるだろ!」といった罵声が多く寄せられている。

このほか「祖国を守るための兵役だ、行かない理由がどこにある?」と主張する「愛国主義者陣営」と、「人民を搾取するしか能のない祖国なぞ誰が守るか」と反発する「覚醒陣営」との間で熱い議論が交わされている。

「いざ戦争になったら命を捧げるか」

という質問を町ゆく市民にインタビューする内容の動画が、多く華人圏のSNSに流れているが、回答者は「祖国に命を捧げる」と迷わず答えるのと、「戦争? 悪いけど私にはお金がないし、農村戸籍だし、学区房もないんだ」と皮肉るのと、どれもこの2タイプに分かれる。 

なお、「お金がない」、「農村戸籍」、「学区房がない」というのは、どれも現代中国の社会に存在する格差をに対する憤りを皮肉っている。

というのは、中国では戸籍が「農村部」というだけで教育、医療、社会保障、不動産取得など日常生活のあらゆる面で影響を受ける。

そして都会における特定の優良校に入るのには、学校がある地区(学区)内の物件(学区房)を所有し、子供の戸籍を移さなければ入学できないのだ。

なお、中国の法律では18歳以上の男性に2年の兵役義務があるが、実際は志願制で新兵を募っている。

兵役を拒否するニュースは時折報じられているが、どのケースも今回のような「重い罰」が科されている。それでも、兵役を拒否する若者が後を絶たたないという。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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