英国 インド太平洋地域における軍事・経済的存在感を強化  中共の影響力に対抗

2024/10/27
更新: 2024/10/27

イギリススターマー首相は、中国共産党(中共)の増大する影響力に対抗するため、インド太平洋地域におけるイギリスの軍事的および経済的存在感を強化する計画を発表した。太平洋の島国との連携を深め、地域の安定と安全保障を図るスターマー首相の戦略について詳しく解説する。

スターマー首相の最近の発言によれば、イギリスは中共の地政学的影響力に対抗するため、インド太平洋地域における軍事および経済の存在感を積極的に高めていく方針である。この地域でのイギリスの活動は、太平洋の島国との連携を強化し、自然災害への対応や、密猟など、違法・無報告・無規制に行われる IUU漁業(非法捕漁)の問題に共同で取り組むことにも注力している。

英国の新戦略 太平洋の島国との連携強化

10月26日に南太平洋のサモアで開催された英連邦政府首脳会議において、過去の奴隷制の「償い」について議論を進めることで合意し、閉幕した。スターマー首相はイギリス海軍のインド太平洋地域での行動計画の強化を発表。これには太平洋の島国との共同巡回の増加が含まれており、特に中国船隊の不法漁業活動に対抗するための措置が講じられている。スターマー首相は、「我々は地球の反対側での友人やパートナーが直面する挑戦を無視できない」と強調している。

経済連携の拡大 太平洋商業俱楽部の設立

さらに、イギリスは経済的連携の拡大に力を入れている。スターマー首相は会議中に、オーストラリアと共同で「Pacific Business Club」を設立し、地域内の企業が多国間開発銀行のプロジェクトに競争力を持って参加できるよう支援する計画を発表した。この動きは、英国とニュージーランドが新たな再生エネルギープロジェクトを支援する合意にもつながっている。

軍事プレゼンスの強化 HMSプリンス・オブ・ウェールズの派遣

近年、中国共産党の軍事的脅威が増大する中、イギリスはインド太平洋地域での海軍プレゼンスを強化する計画を進めている。来年、HMSプリンス・オブ・ウェールズ航空母艦をF-35戦闘機と共に太平洋に派遣し、シンガポールの英国海軍基地に寄港する予定である。これは地域の安全保障に対するイギリスの責任を強調し、同盟国との連携を深める一環となる。

スターマー首相の約束 より安全で公平な世界へ

スターマー首相は、インド太平洋地域がイギリスの繁栄と安全にとって非常に重要であることを強調し、この地域における商業、貿易、そして国防の分野でのイギリスの重要な役割を再確認している。首相は、「より安全で、より公平な世界」を実現するための努力を続けると約束しており、そのアプローチは、イギリスが国際社会で果たすべき役割の新たな方向性を示している。

陳霆
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