東京地裁 法輪功活動家の難民申請を認める判決

2024/10/29
更新: 2024/10/29

中国の伝統的な気功修煉法である「法輪功」を習い、迫害の恐れがあるとして難民認定を求めていた72歳の中国籍男性が、申請を却下した国の決定を取り消すよう求めた裁判で、東京地裁は25日、不認定処分を取り消し、国に対して難民として認定するよう命じる判決を下した。

男性は1998年から法輪功を習い始めた。当時、法輪功の心身の健康への高い効果によって、中国全土で大ブームとなった。中国体育局の調査によると、1998年には7千万人から1億人が法輪功を学んでいた。

しかし1999年7月20日、中国共産党(中共)当局は法輪功学習者に対する弾圧を始めた。全国のメディアが法輪功に対する誹謗中傷を流し、迫害を正当化している中、男性は法輪功のチラシを配布し、法輪功は無実だと訴えていた。そのため、身柄拘束や家宅捜索を何度も受けた。2011年9月、男性は来日し、その後3回難民申請をした。

産経新聞によると、篠田賢治裁判長は、身柄拘束の経緯などを踏まえ「当局から法輪功の活動家として把握され、一貫して監視対象となっていた」と指摘した。来日後もチラシ配布や、弾圧に抗議するデモ活動などを行っていることから、「中国政府による迫害の恐れという恐怖を抱く客観的事情がある」とし、難民として認定すべきだと結論付けた。

1951年難民条約において、「難民」とは、人種、宗教、国籍、政治的意見または特定の社会集団に属するという理由で、自国にいると迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れ、国際的保護を必要とする人のことを指す。浜田聡参議院議員(NHK党)は28日、「法輪功の活動は重要だと思います」とXに投稿した。

法務省はこれまで、法輪功学習者2人を難民として認定した。

中共は官製メディアで法輪功に対する誹謗中傷のプロパガンダを流布し、迫害を正当化しようとした。その言説は海外メディアに転載され、全世界に発信された。

1999年7月以降、法輪功は中国共産党による全国的な弾圧に直面しており、学習者たちは投獄され、獄中でひどい暴行を受け、強制労働といった被害を受けている。また独立調査ではかなりの人数の学習者が人知れず臓器を奪われ殺害されている事実が明らかになっている。

現在、欧米を中心に超党派の迫害非難決議案が出されている。今年6月25日、アメリカ下院は、中国共産党政権による法輪功への迫害と、同政権が関与しているとされる強制臓器摘出の行為の責任を追求する「法輪功保護法案」を採択した。

7月31日、上院では、マルコ・ルビオ議員を筆頭に、ロン・ジョンソン氏、ロジャー・マーシャル氏、トム・ティリス氏が同様の法案を提出した。上院で可決された後、米大統領が署名して、法律として成立すれば、この法案は中国の迫害と違法な臓器売買に対抗する最初の連邦法となる。

欧州議会も2022年に 「中国の囚人、特に法輪功学習者から執拗かつ組織的、非人道的かつ国家公認の臓器摘出が行われているとの報告に対する深刻な懸念」に関する決議を採択した

日本では、複数の法輪功学習者の家族が中国で迫害を受けている。10月12日には、中国共産党によって不当に拘束された法輪功学習者の劉聡(りゅう・そう)さん、王乖彦(おう・かいげん)さん、鐘芳瓊(しょう・ほうけい)さんの家族が、東京の中国大使館前で横断幕を掲げ、親族の即刻釈放を求めた。

また、中国四川省出身の法輪功学習者、姚佳秀(よう・かしゅう)さんが、9月20日に四川省瀘州市の警察によって不当に逮捕された。現在、彼女は四川省西昌市の小廟留置場に拘留されており、家族との面会も認められていない状況である。東京在住の息子の話によると、「母は2019年から、警察の嫌がらせを受け、当局によって不当に指名手配され、放浪生活を余儀なくされている」という。

関連特集: 法輪功迫害