10月29日、中国吉林省長春市にある大学校「長春大学旅遊学院」の食堂職員が、学生の手から外部の食事(デリバリーフード)を奪い、ゴミ箱に捨てたことがわかった。それだけでなく、同職員は学生を罵り、脅した。
同学校の学生によれば、学生食堂と寮はつながっており、寮に戻りたければ必ず食堂に入らなければならない構造になっているという。
学生が公開した動画のなかには、注文して届けてもらったデリバリーの食事を手にぶら下げて、階段を上がる女性学生の前に、食堂スタッフがその前に立ちはだかり、「その食事どっから持ってきたの?」と問いただし、奪った。別の何人もの学生からも同様に、デリバリーフードを奪い、まとめてゴミ箱に捨てていた。
自分たちが注文した(外部の)食事を奪われて捨てられることに、怒ったある男子学生が「110番通報する」というと、食堂スタッフは「付け上がるなよ」「ぶん殴るぞ」などの暴言を吐き、男性生徒を脅した後、男子生徒の腕を引っ張り、生徒をそばに止めてあった自家用車のなかに押し込もうとしていた。男子生徒は反抗をし、最終的に逃げることに成功した。
動画は中国SNSで注目され、世論の圧力のもと、大学側は「学生たちは、フードデリバリーを注文することはできる。学生食堂は外部企業に委託しており、学校は食堂と交渉して(デリバリーフードを捨てられた)学生たちに対して弁償を行い、謝罪することを求めたところ、合意に至った」と声明した。
(当時の様子)
金儲け
中国の学校の食堂は、学校に利益癒着のある関係者が経営していることが、秘密でも何でもなくなった。しかし、食堂の食事は往々にして、高いくせにマズイ。そのため、食堂で食べたくないからネットで、外の宅配業者に注文して学校へ配達させている学生も多いが、学校側(食堂)からしたらお金を儲けたいから、学生のフード注文をなんとしても阻止したいという背景がある。
今年5月も、山東省青島市にある総合大学「青島理工大学」も、学生が学校外部へのフード注文を阻止するためにキャンパスのフェンス、フードデリバリーの受取り場所に糞尿を大量にかけたことがわかり、話題になった。
下の動画は、高校生の子に昼ご飯を届けに行った母親が撮影したもので、高校職員から「子どもに食べ物を届けてはならない」と告げられた後、母親のことを「畜生」などと罵ったという。母親は「私が何をしたというの? なんで畜生と罵られないといけないの?」と怒っていた。
関連動画には「なんで? わからないの? 食堂の荒稼ぎを邪魔したからだよ」とするコメントが多く寄せられた。
(生徒に昼ご飯を届けに行った母親が罵られる場面)
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