中国の好戦的な動きは、10月14日と15日に行われた台湾の13時間の模擬封鎖に続くものだ。人民解放軍(中国共産党軍)は、軍事演習 「連合利剣(Joint Sword)2024B」で過去最多の153機の航空機と、国の3隻の航空母艦の一つである遼寧を含む26隻の艦艇を投入した。
『エコノミスト』誌によると、中国沿岸警備隊も大規模な訓練に参加し、台湾本島周辺の「前例のない」パトロールを行った。
中国海警局によると、この演習は「『一つの中国』の原則に基づく、法に従い、台湾島の制御に向けた実践的な行動」だったという。
Joint Sword 2024B(以下からJoint Sword)の演習区域は、台湾の海岸線からわずか24海里(約44.448キロ)の距離に設定されており、以前の演習よりも近かった。
この演習を観察した者たちは、国内法執行活動に専念する沿岸警備隊の船舶の存在が、中国が台湾を中国の領土であると主張を強化していることを示唆していると述べた。
北京は、台湾が古来から中国の不可分であると主張しているが、中華人民共和国が台湾を実際に統治したことは一度もない。実際、どの中国政権も台湾に対して明白な主権を持ったことはない。蒋介石は1949年に台湾全島を支配した最初の中国人統治者である。
台湾当局は訪問する外国人に対し、今後数か月以内に北京が台湾共和国に隔離(孤立化政策)を課すことを予想していると伝えている。
元米陸軍大佐のジョン・ミルズ氏は、アメリカの保守系シンクタンクGatestone(ゲートストーン研究所)に対して「Joint Swordを通じて、中国共産党は台湾に対する隔離概念を開発し、最終化している」と語った。「彼らは封鎖が戦争行為であることを知っているので、1963年にケネディ大統領がキューバに対して行ったことをモデルに、隔離ゲームを行っている」と同氏は付け加えた。
「中国が隔離を始めると、最近ハープーンミサイルを運んだ船のような武器輸送船を狙うだろう」と、国防長官室のサイバーセキュリティ政策、戦略、国際問題のディレクターを務めたミルズ氏は語った。「彼らは、中国の支配下に置きたい人物を乗せた民間航空機も標的にするだろう。海底ケーブルも切られる可能性が高い」と同氏は付け加えた。
これがいつ起こるかは意見が分かれている。ミルズ氏は、中国が今年中、あるいはその直後に隔離を宣言する可能性があると考えている。
隔離は、中国が全面戦争に備えていない、また台湾本島への侵攻を開始する準備ができていない時に行う狡猾な手段だ。
準備ができていないのだろうか? 習近平は中国軍を信頼しておらず、台湾への戦争は中国国民に非常に不人気であり、中国体制は極端に死傷者を避けたがる。
したがって、習は他の国を服従させるために脅迫しようとしている。
米シンクタンク、アトランティック・カウンシルの中国部門グローバル・チャイナ・ハブのエリザベス・フロイント・ラルス氏はFOX ニュース・デジタルに「演習の目的は、台湾の安全保障を脅かし、台湾国民が台湾政府への信頼を失い、中国から分離した台湾という現状を変えることだ」と語った。
Joint Sword2024Bの前にロシアと中国の艦船の航跡を調査した中華民国戦略研究協会の張競氏は、「彼らは 『ポイントを包囲する/援軍を攻撃する 』という非常に古い中国の戦略を使っていた」と語った。「実際のターゲットは米国だ」と台湾のアナリストはFOX に伝えた。彼らは「すでに人質にされている台湾に向かう米海軍を待ち伏せする方法を練習していた」とされている。
習近平は戦争行為ではない隔離だけで台湾を占領できると考えているかもしれない。しかし、もしその動きが失敗すれば、彼は全面封鎖に移行しなければならないリスクがある。中国軍は「Joint Sword2024B」の演習で「主要港の封鎖」を練習していると発表した。したがって、隔離は紛争につながる一連の出来事を引き起こす可能性がある。
封鎖を成功させるためには、ほぼ間違いなく日本の領土、特に日本の最西端の有人領土である与那国島を含める必要がある。この小さな島からは、台北の南にある台湾の山々が見える。米国は日本と相互防衛援助協定を結んでおり、中国が封鎖を宣言すれば、その結果として米国が戦争に巻き込まれることになる。
習近平の隔離が失敗すれば、彼は後退できなくなる。現在、共産党の高官たちの間では、最も好戦的な回答だけが受け入れられている。こうした極端な敵意は、中国の首都で何か間違った事が生じている事を示唆しており、世界はいつでもどこでも何が起こってもよいように準備しておくべきだ。
中国は想像を絶することができる。党中央軍事委員会の委員長でもある習近平が人民解放軍のロケット軍 旅団を視察したわずか2日後の10月19日、政権はプロパガンダを発表し、中国の軍事力を誇示した。
習はミサイル部隊に対し、とりわけ「戦闘能力」を強化するよう促した。
ロケット部隊は、9月25日にハワイの方向に向けて大陸間弾道ミサイルを試射した。この部隊は、中国の核兵器の大部分を担当している。
核兵器を使用するという習の暗黙の脅威は特に不気味だ。我々は自問すべきだ。好戦的な政権が攻撃的な行動をとり、常に戦争を脅しながら実際には戦争を起こさなかった歴史の例はあるのか?
何も避けられないわけではないが、今や戦争へのほぼ不可避な勢いがある。
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