先月14日、安徽省合肥市に住む劉さんはスーパーマーケットから購入したヨーグルトを食べようとしたら、その中に「血液が混入」していたことに気づいた。味も「血生臭い感じがした」という。
問題のヨーグルトの生産メーカーは大手乳製品メーカーの「光明乳業」で、生産日付は約2か月前の2024年7月15日となっていた。
劉さんは妊娠中の身であるため、血液混入のヨーグルト飲んだ自分が何らかの病気になり、胎児にも影響を及ぼすのではないかと気が気ではなかった。
医者にかかったり、血液検査を受けたり、経過観察のための入院などもした劉さんは4千元(約8万円)以上の出費を負担することになった。
劉さんは「血液混入ヨーグルト」の件をメーカーにも訴えていたが、メーカー側の苦情受付部門は「調査を行った結果、同じロットの製品はすべて正常だった」とし、「劉さんのは個別ケース」と主張している。
劉さんによれば、メーカーはSNS投稿の削除と引き換えに「1万元(約21.5万円)の賠償金を支払う」と約束したという。
「光明乳業」ほどの大手が約束を守らないはずがないと信用した劉さんは、言われた通りにSNS投稿を削除したが、約束の1万元はまだ届いていないという。
この「事件」は中国のネットでも物議を醸し、「私もそのメーカーの牛乳飲んでたら、野菜の葉っぱのカスが入ってたよ」「私もそれのヨーグルト食べたら緑色の物体があった、臭いも変だった、結局何が混入していたか今もわからない」といった同様の被害を受けたというコメントが続々と寄せられていたという。
なかには「光明、蒙牛、伊利はいずれも2008年の『メラミン混入粉ミルク事件』 の加害企業である、ボイコットせねば」と呼び掛ける声も上がっている。
中国の苦情集約プラットフォーム「黑猫投诉」には、「光明乳業」に関する苦情が400件以上寄せられている。苦情内容は「段ボール箱と中の商品の日付の不一致」、「変質していた」、「異物混入」、「虚偽の宣伝」などとなっている。
また、消費者相談ホットライン(12315番)にも同メーカーに関する苦情が171件寄せられており、「製品に食品安全問題が存在する可能性」を訴え、損失補償を求める消費者も多い。
中国のミルク業界では昔から食品安全問題が絶えず、近年では特に高級路線を行く製品の問題も相次いで指摘されている。
今年8月、人気ヨーグルトブランド「簡愛」の製品(「辣嗓子」)が「消毒水の味がする」と多くの苦情が寄せられていた。
その前には、高級ヨーグルトメーカー「卡士酸奶」傘下の製品から基準値の60倍を超える酵母が入っていたことがわかり、同国の新興乳製品メーカー「認養一頭牛(ADOPT A COW)」傘下のヨーグルトにも「異物混入」があったことがわかった。
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