カマラ・ハリス副大統領は11月6日、ワシントンにある自身の出身校、ハワード大学で支持者を前に演説した。アメリカ大統領選挙で共和党のトランプ前大統領が当選を確実にする中、民主党のハリス副大統領が敗北を宣言した。「平和的な権力移譲に取り組む」と述べた。
演説は、トランプ氏が5つの激戦州で勝利し、選挙の勝利を確定させてから12時間も経たないうちに発表された。バイデン大統領が8月初めに選挙戦から離脱したことで、ハリス氏が民主党候補に選ばれた短期の選挙戦が、ここに幕を下ろした。
演説の中で、ハリス副大統領はトランプ氏に電話で選挙結果を受け入れることを伝えたと明かした。さらにトランプ氏とそのチームに対して、政権移行を円滑に進めるために協力する意向を示し、「平和的な政権移行に取り組む」と述べた。
また、「アメリカ民主主義の基本原則は、選挙で敗れた際にその結果を受け入れることだ。この原則こそが、民主主義を君主制や独裁と区別するものであり、公的な信頼を得ようとする者はそれを尊重しなければならない」と語った。
「同時に、我が国において、私たちは大統領や政党ではなく、アメリカ憲法、良心、そして神への忠誠を誓う。これらすべてに忠実であるからこそ、私はこの選挙に敗北を認めるが、この選挙を支えた闘いを諦めるわけではない」と強調した。
その闘いとは、「自由、機会、公正、そしてすべての人々の尊厳」のためのものであり、アメリカの理想そのものだという。
「この闘いを私は絶対に諦めない」と語り、支持者にも同じ決意を促した。
母校ハワード大学は、本来ならばハリス氏がアメリカ初の女性大統領として歴史を刻む勝利宣言の場となる予定だったが、彼女の大統領選挙キャンペーンの幕引きの場となった。
AP通信は、11月6日午前5時35分にトランプ氏が重要なウィスコンシン州で勝利すると予想し、トランプ氏の勝利を伝えた。しかし、その兆候は何時間も前から見られており、トランプ氏はその約3時間前にフロリダ州ウェストパームビーチでの選挙観戦パーティーで勝利演説を行っていた。
次期大統領に選出されたトランプ氏は、「神が私を生かしてくれたのには理由がある」と語り、最近の2度の暗殺未遂に触れた。
「この運動は前例のないものであり、率直に言って、アメリカ史上最大の政治運動だったと私は信じている。私たちは国を癒す手助けをするつもりだ。この国は助けを必要としており、その必要性は非常に切実だ。国境を整備し、国全体を立て直す」と誓った。
ハリス氏は、選挙夜の集会や支持者への演説を行わず、午後11時頃に選挙集会を切り上げ、支持者には「帰宅して休んでください」と伝えた。
翌日のハリス氏の演説を聞くために集まった人々の数は前夜に比べて明らかに少なかったが、ナンシー・ペロシ下院議員や元民主党全国委員会議長のドナ・ブラジル氏などの著名な支持者が姿を見せた。
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