2024年が史上最も暑い年? 気温上昇1.5度

2024/11/11
更新: 2024/11/11

世界気象機関WMO)によると、2024年はこれまでで最も温暖な年となる見通しだ。異常に高い月平均気温が続く中、地球規模での温暖化が顕著になっているという。

WMOが11日に公表した「2024年気候の現状アップデート」報告書によると、室効果ガスの濃度が上昇し、気候変動のペースが加速している。2015~24年までの10年間は、記録的な温暖化が続いており、氷河の融解、海面上昇、海洋の温暖化が加速し、極端な気象が世界各地の地域社会や経済に深刻な影響を及ぼしている。

WMOのデータ分析によると、2023年6月~24年9月の16か月間、世界平均気温は過去最高を記録し続けた。2024年1~9月の間、世界平均の地表気温は産業革命前の平均を1.54度上回り、エルニーニョ現象の影響もあって温暖化が加速している。

WMOは、地球温暖化が進行する中で、温暖化がパリ協定の長期目標に対してどの位置にあるかを慎重に監視し、政策決定者に重要な情報を提供する必要があるとして、国際的な専門家チームを設立した。現在の地球温暖化は1850~1900年の基準と比較して約1.3度であると見積もられている。

WMOは、気候変動は健康や不平等に深刻な影響を及ぼし、持続可能な発展を阻害し、平和の基盤を揺るがしていると分析した。

WMOのセレステ・サウロ事務総長は「今年は、世界各地で記録的な降雨や洪水、急速に発達する熱帯低気圧、致命的な熱波、途切れのない干ばつ、激しい山火事が発生しており、これが新たな現実であり、将来の予兆といえる。温室効果ガスの排出削減と気候変動に対するモニタリングの強化が緊急の課題だ」と訴えた。

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