社会 中国のおいて、「デマはたいてい真実」。

ネットの噂の真相は? エイズ感染の教育局局長が女性教師らに性的関係を強要し感染広がる=広西チワン族自治区

2024/11/16
更新: 2024/11/16

中国メディアによると、陝西省の女性がある会社の社長秘書の仕事に応募したところ、試用期間中に男女関係や恋愛関係を求められていた。

中国語で「潜規則」とは、何らかの便宜(金銭や出世など)と引き換えに性的行為を権力者に迫られることをいう。

現代中国では、上へ上り詰めようとすれば、かなりの確率で「潜規則」を伴うといっても過言ではない。

エイズ部長」

このごろ「潜規則」と関係ある噂が中国のネット上を熱く賑わしている。いっぽう、現地当局はこの噂をデマと呼び、関連投稿の封殺に躍起になっている。

「噂」が広まり始めたのは14日、内容は以下の通り。

「汚職、飲酒運転、金を使って職位を買ったなどの疑いで逮捕された広西チワン族自治区北流市の教育局の顧局長は、健康診断でエイズを患っていたことが判明した。市内の数十人、あるいは数百人とも言われる若い女性教師はこの局長から『潜規則』をされていたため、先週から市内の多くの学校で『エイズ保有者』を突き止めるべく大々的な検査が行われている。すでに何人も『局長にエイズをうつされた』という若い女性教師が出ている、なかには女性教師の夫も感染したというケースもある」
 

デマ? 真実?

なお、当局のいうこれらの「デマ」の真偽は確認できないが、当局による情報のもみ消しや情報封鎖が行われたことから、噂は真実だったと考えるユーザーは多い。

多くの場合、躍起になって否定するほど、その「デマ」が本当である可能性は高い。日本で生活してる読者には、理解し難い感覚ではあるが、中国人たちは「当局の発表するデマはたいてい真実」だという事を多くの経験から知っているのだ。

2020年2月7日に死亡した武漢の眼科医・李文亮医師(33)は新型コロナ流行に警鐘を鳴らした者として中国人の記憶の中に残っている。

中国における新型コロナ発生の最も初期の段階で、中国政府の発表前から「原因不明の肺炎の存在」をいち早く察知し、同僚の医師たちに警告を発したのが李文亮医師だった。

李医師は「デマを散布した」として、武漢の公安当局に呼び出され、訓戒処分を受けた。当局の処分に服する旨に、署名をさせられ、国営の中国中央テレビ(CCTV)の報道番組でも、連日のように「デマ散布者」として伝えられた。その後、李医師は自らも中共ウイルス(新型コロナウイルス)に感染し、妻子を残したまま死亡した。

当局やメディアから「デマ散布者」という不名誉なレッテルを貼られながらも、自らの職務に真摯に取り組んだ医師・李文亮氏の死から3年半以上が経つ現在、李医師の無念を思い、ひたすら「デマ消し」に躍起になる中国当局の愚かさを感じる人は少なくないのではないか。

李文亮医師の似顔絵、2020年2月、武漢市内の病院前の献花台で撮影(Getty Images)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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