11月20日、鹿児島県出水市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜が確認された。今シーズン国内で10例目の発生であり、農林省は「鳥インフルエンザ防疫対策本部」を設置し、迅速な防疫措置を講じている。
今回感染が確認された農場では、約12万羽の採卵鶏が飼育されている。農林水産省は当該農場の鶏を殺処分するとともに、発生農場から半径3km以内を移動制限区域、3kmから10km以内を搬出制限区域として設定する。
今シーズンの鳥インフルエンザ発生により、全国で約121万羽のニワトリが殺処分の対象となっている。
卵価格への影響
感染拡大による供給量の減少により、卵の価格上昇が懸念されている。JA全農たまごによると、2024年1月時点で東京地区のMサイズ1kgあたりの平均卸売価格は180円だったが、11月20日時点では280円にまで上昇している。猛暑による産卵量の減少で供給不足が起き、年末のクリスマスケーキやお正月の需要増が価格上昇の一因と考えられる。
農水省は感染経路の解明や発生防止のための措置を引き続き強化し、消費者や生産者への正確な情報提供を進める方針である。また、卵価格の安定化に向けた具体策についても早急な検討が求められる。
日本国内で鳥インフルエンザの発生が相次ぐ中、感染拡大防止と安定供給の両立が喫緊の課題となっている。
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