19日、江蘇省連雲港市にある国有企業の正門前で撮影された「心痛ましい」一幕が華人圏のSNSで共有されている。
動画に映るのは、あるスーツ姿の男(国有企業の管理者)の足に抱きついて泣きながら給料の支払いを求める女性の姿だ。
「うちには老人と子供がいます、食べさせなければなりません。私は健康状態がよくない、いまお米を買うお金がないんです」と女性は懸命に訴えるも、男のほうは顔色一つ変えなかった。
中国メディアによると、後に、現場に駆け付けた公安は女性に対し「手を放せ!」と告げ、女性とその夫の会社関係者は「問題解決」のために近くの警察署へ連れていかれたという。
女性(38歳)が給料の支払いを求めた会社は国有企業「中国化学工程第十四建设有限公司」だ。
この日、女性は同会社で数年間「電気や配管工事」をしてきた夫の滞納された給料約18万元(約385万円)の支払いを求めていた。
夫婦は過去に何度も会社管理層に対し、給料の支払いを求めてきたが、そのつど「金がない」と一蹴されてきた。
動画が撮影されたこの日、ちょうど、以前に給料の支払いをお願いしたことのあった「面識ある」会社管理層と出くわしたため、女性は男がどこかへ行かないよう、その足に抱きついたという。
(国有企業管理者の足に抱きついて泣く女性)
働いたぶんのお給料をもらうは当然なはず。それなのに中国では、その給料を払ってくださいと労働者らは土下座をし、なかには「払わないと飛び降りるぞ」などと自殺をほのめかしてビルの屋上に上る人も少なくない。
これこそが、今の中国の真実の姿であり、決して官製メディアが宣伝する「盛世(繁栄)」などではない。
男の足に抱きついて泣き喚く女性の姿は、多くのユーザーの心を揺さぶった。
「惨め過ぎる」
「あの国どうかしてる」
ネット上では何とも言えない悲嘆が、きょうも、広がっている。
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