百家評論 中共は滅亡へのドアが開いているようだ。無限の権力は必ず無制限の社会的不公を生んだ

無差別殺傷事件が激増 中国は暗黒の時代に突入

2024/11/22
更新: 2024/11/22

中国の経済は減速し、多くの地方政府の財政収入も減少し、その中での民衆の苦しみは……。

● 失業

● 未払い賃金

● 立ち退き

● 地方政府による搾取

中国は非常に恐ろしい時代に突入しようとしているのだ。11月に入り、公共の場での社会報復と思しき無差別殺傷事件が突然大幅に増加した。珠海市での車による殺傷事件を除いても、各地で類似の事件が多発し、社会に大きな衝撃を与えている。中国では一体何が起こっているのだろうか?

中共の終焉、人々は完全に絶望し、無差別殺傷事件が大発生

テレビプロデューサー李軍氏は、新唐人の『菁英論壇』番組で、最近中国は無差別殺傷事件の発生期に入ったと述べた。11月11日、広東省珠海市で発生した車による殺傷事件では、公式発表で35人が死亡し、数十人が負傷したとされるが、最新の情報では死亡者数は65人を超えている可能性がある。中国共産党(中共)の党首習近平と総理李強も珍しく指示を出した。

11月15~17日のわずか3日間で、Xプラットフォーム上では少なくとも5、6件の無差別殺傷事件が報告され、江蘇省無錫市、遼寧省瀋陽市、広西省桂平市などで発生したという。

16日、無錫工芸学院で無差別な刃物による殺傷事件が発生し、少なくとも8人が死亡、17人が負傷した。報道によると、学校側が、学生の卒業証書を悪意を持って取り上げ押収した上に、社会実習で工場で毎日16時間も働かし、さらに賃金は未払いだった。

このことに対して、様々な手段で訴えかけたが、それでも結果がでなかったため、数人の絶望的になった男子学生は、最終的に殺人グループを結成し、社会に復讐を果たしたとのことだ。

11月19日の朝、湖南省常徳市の永安小学校の前で、自動車による故意の殺傷事件が発生し、多くの小学生が死傷した。報道によると、加害者である男性は、この学校に通う9歳の息子が学校でいじめに遭い、睾丸を打ち砕かれたため学校や警察に訴えた。しかし何の解決も得られなかったため最終的に激怒し、悲劇を引き起こした。

李軍氏は、近年同様の報復事件が増加しているが、メディアは報道しないと述べている。今回、習近平がその原因を調査するよう指示したことに対し、ネットユーザーは「その原因は共産党そのものだ」とコメントしている。極端な憎悪教育により、社会は最も基本的な公平と正義を失い、これら二つの要因が組み合わさり、社会は倫理道徳を失い今の状態に至ったのだ。

李軍氏が中国にいた時、メディアで働いていた経験から、中国共産党(中共)が社会を管理する際に非常に奇妙な現象があることに気づいた。共産党に対して、冷静に話をしても誰も聞く耳を持たず無駄なのである。彼らはそれを完全に無視する。よって、他の手段、つまり悪い手段を取らざるを得ず、例えば殺人や放火を行ったり、事態を大きくしたりすると、彼らはようやく解決に乗り出す。

そのため、多くの市民は「政府と冷静に話すな、より深刻なことをすればするほど効果がある」と言っている。深刻にすればするほど、彼らはあなたに関心を持つ。したがって、市民の行動はますます極端になり、非常に極端でなければ共産党はあなたに関心を持たない。

大紀元の主筆である石山氏は『菁英論壇』で、中国の現状は非常に恐ろしいと述べている。善には善の報いがあり、悪には悪の報いがあるのが天理であり、法律もまた悪を懲らしめ、善を称賛する。しかし、中共の教育システムでは、悪事を働く者が、逆に利益を得る結果となっている。

このような体制のもとでは、社会はますます悪化していく一方だ。何をするにも、誰が凶暴で、誰が冷酷で、誰が恥知らずで、誰が卑劣かを見極めて判断することになり、非常に恐ろしい状況だという。政府は銃や刃物を禁止しているが、次は自動車を禁止するべきなのだろうか? 何を禁止しても無駄で、暗黒の時代が迫っているように思えて仕方がない。

海外の中国民主党の主席である王軍濤博士は『菁英論壇』の中で、現在人々は社会の現状に対して広く不満を抱いており、それは経済状況だけでなく、政府の統治に対する不満から来ており、人々の間に怒りが生じているという。

1990年代、中国では労働者の解雇が相次いだ。2千万人の労働者は、中共による20~30万の国有企業の閉鎖と転換に対して非常に不満を抱いていた。その結果、さまざまな悲惨な事件が頻発した。家族全員での焼身自殺や、毒を飲んで自殺をはかる事件などが報告されている。

21世紀の最初の10年間、中国がWTOに加盟した後、各地でインフラ整備が進められた。基礎施設の修理や民家の強制撤去、土地の強制徴収が行われ、血みどろの争いが繰り広げられた。汕尾市の漁民は漁炮を持ち出して武装警察と対峙し、上海市では楊佳という男性が11人の警官を襲撃し、6人が死亡、5人が負傷した。この事件に対して、ネット上では楊佳を称賛する声が上がっていたという。

習近平政権下の社会的不公 根本原因の探求

凶悪事件について言えば、共産党が政権を握って以来、事件は絶え間なく発生しているが、最近の事件は無差別攻撃である。個人に対する恨みには原因があり、以前はトラブルの相手に仕返しをしていたが、今では社会報復のために無実の人々に対して攻撃が行われるようになっているのだ。

加害者たちは、この社会に対して完全に絶望しており、社会に対する報復行為を行っている。これは新たな兆候であり、習近平が政権を握って以来、こういう事件がさらに深刻化してきた。実際、胡錦濤、温家宝、江沢民の時代にも同様の現象は見られたが、当時のエリートたちは無関心だった。現在、エリートたちは大きな影響を受けており、これらの事件の根本的な原因について議論しなければならないと考えている。しかし、その原因は最終的に習近平と共産党の統治の失敗に帰着するといえるだろう。

王軍涛氏は、これは、中共が現在、底辺層の民心を失っているだけでなく、大規模な失業によって労働者も心を失い、土地収用によって農民も心を失っていることを示す兆候だと指摘している。また、現在の中国では、現代社会の支柱である技術官僚や企業家、知識人も心を失っている。

大紀元の編集者である郭君氏は『菁英論壇』で、中国の問題は、主に社会的な不公平によって引き起こされる失業、未払い賃金、立ち退き、地方政府による搾取であり、全く理屈や法律を無視していると述べている。無限の権力は必ず無制限の社会的不平等を生むものであり、これが根本的な原因だ。

郭君氏は、数年前には経済成長が非常に速かったため、多くの社会的な不公平が存在していたにもかかわらず、選択肢が豊富であったため、問題はそれほど目立たなかったと述べている。しかし、現在、中国の経済は減速しており、多くの地方政府の財政収入も減少している。どんなに厳しい状況でも官僚を苦しめるわけにはいかないため、彼らは市民から搾取するためにあらゆる手段を講じており、法律を無視し、不公正な事例が増加している。

一方で、経済の悪化により一般市民は行き詰まり、恨みや怒りの感情がより一層高まりやすくなっている。ある人は、今年が中国経済の今後20年間で最も良い年になる可能性があると述べている。

もしそうであれば、現在もさまざまな凶悪な社会事件が増加し、ますます深刻化していて、いわゆる「紙で火を包むことができない」という状況が生じているので、これから当局がどんな対策を講じても、おそらく無駄になるだろうと予想できる。

若者の運動は社会情勢に影響を与える重要な力

郭君氏は、歴史的に見て社会の動乱は若者と深い関係があると述べている。一般的な分析によれば、若者は理想主義的で、生活の負担が少なく、社会の厳しさをあまり経験していないため、社会問題やその原因の複雑さを十分に理解できていないと考えられる。特に重要なのは、彼らは大人と比べて忍耐力がなく、問題が発生するとすぐに解決したいと考え、結果を求めるあまり衝動的になりやすいという点だ。

ここ2、3年、中国経済は低迷しており、若者により良い待遇を提供できる産業が、大きく衰退していることが、中国社会の問題が爆発的に増加する主な原因の一つとなっている。例えば、IT業界やゲーム業界が潰れると、若者の進路に影響が出て、若者に関連する社会問題は、ますます深刻化している。その一つの表れとして、治安の悪化が挙げられるのだ。

最近、中国で大きな出来事があった。河南省の開封市と鄭州で、20万の大学生たちが一斉に自転車で中華まんを食べに行った。多くの人々は、これらの大学生が社会的または政治的な要求を提起していないこと、さらには「共産党万歳」と叫ぶ者もいるため、問題ではないと考えている。

しかし、このような見方はあまりにも単純だと思う。1984年の北京の十一(10月1日)パレードでは、大学生たちは「小平你好」という当時の指導者を賞賛する横断幕を掲げていたが、5年後には北京の大学生たちは「民主運動」の主力となった。

郭君氏は、現在の中国の大学生は1980年代の大学生に似ていると感じている。彼らは多くの出口が見えないものの、世界で何が起こっているかを理解している。これには非常に敏感で、変化の激しい状況であり、大規模な学生運動がいつ起きてもおかしくないのだ。特に経済が低迷し、大学生の卒業後に深刻な失業が続く中で、さまざまな問題がいつでも爆発する可能性がある。中共も学生運動を全力で抑え込もうとするだろう。

李軍氏は、中国の若者たちには特別な状況があると述べている。彼らは共産党に対して恐怖を感じていない。共産党の統治は恐怖に依存しており、その恐怖は7、8年ごとに大規模な政治運動を行い、殺人によって多くの人々に恐怖心を植え付けることで成り立っている。

しかし、現在の1990~2千年代生まれの若者たちは、共産党の厳しい管理の下で育ったとはいえ、私の父の世代とはまったく異なる。私の父は共産党が運動を起こすと聞くと震え上がる。それは歴史的な深い恐怖を抱えているからだ。今の若者たちはそのような恐怖を持っていない。したがって、彼らが目覚めたとき、間違いなく年寄りの革命家たちよりも大胆になり、自分たちの基本的な権利のために、共産党に対してより激しく抵抗するだろう。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。