今月21日から広東省潮州市・汕頭市の商店や工場がほとんどが突然の「臨時休業」に入った。休業の理由は、当局による消防検査と、それに伴う多額な罰金から逃げるためとされている。
これに先立ち、現地当局は国務院(日本の内閣に相当する)による消防安全の抜き打ち検査の実施と、不合格企業に対する生産停止命令および5万元(約106万円)の罰金の処分を告知する通達を出していた。
25日の明け方の潮州市・汕頭市地区で撮影された動画のなかには、当局による「奇襲検査」に気づいた店主らが、一斉にシャッターを下ろす場面があった。
当局の「検査人員」一行に、いち早く気づいた店主のなかには「略奪者が来るぞ!」と大声をあげて周囲に危険を知らせる者もいたそうだ。
(当局による「奇襲検査」に気づいた店主らが一斉にシャッターを下ろす場面、2024年11月25日明け方の広東省潮州市・汕頭市地区)
一夜にして「ゴースト・タウン」となった広東省の話題をめぐっては、「当局のいわゆる『安全検査』は本当に人々の安全のためなのか、それともただ私腹を肥やすためなのか」と議論している。
「何も安全検査に協力したくないんじゃない、いったん協力してしまうと、不合格になるのが目に見えているからだ。やつらの目的は罰金にある」といった指摘の声も多い。
奇抜な休み理由が語るもの
いっぽう、ネット上では現地の商店や工場の各種奇抜な「休み理由」を述べた貼り紙が話題になっている。
「お化けが怖いので1日休みます」
「オーナーがイライラしてるから休みます」
「お茶を盗まれたから休みます」
「豚足を盗まれたから1日休みます」
「失恋したから1日休みます」
「なんか疲れちゃったから休む」
「多大なプレッシャーのため 休む」
「じいじいを病院に連れていくから営業中止」
「用事があるから休む」
「妻とケンカしたから1日休みます」
「妻とまだ仲直りできていないから、もう1日休む」
「気候変動のため、工場全体3日間お休み」
町の商店や工場のみならず、露店商でさえもSNSのグループチャットに「ここ数日間(28日まで)休業する」と通知をしている。
この事態に世論は同情的である。
「商店や工場が休むのは、なにも消防検査を避けているのではない。当局による『検査』を名目として強奪から逃げているのさ。奇抜な休み理由がそれを語っている」
ネット上では暗い理由が少なく、どこかユーモラスな休業の理由に政府の悪辣さに憤り、市民の知恵を讃える声が少なくない。
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