経済不況に加え、社会に不公平が蔓延し、邪気が充満する現代中国では、党幹部などの特権階級ではない一般の庶民は、今日を懸命に生きるために必死でもがいている。
「いつ爆発してもおかしくない火薬庫」といわれて久しい中国だが、近年、中国共産党(中共)による暴政に立ち向かい、反抗する人が確実に増えている。
華人圏では「火薬庫はあちこちで爆発している、中国の夜明けは近い」とする期待の声が多く上がっている。
庶民が反抗する時、最もそのターゲットにされやすいのが、中共の手先である「公安」「警察」、そして町の「城管」だ。
なお、「城管(城市管理)」とは、主として無許可の路上販売を取り締まる公的な管理者である。しかし、その暴力的なふるまいから市民の反感や恨みを買うことも多い。
8月にも、「城管」に対して、市民が日頃から抱いていた怒りに火が着き、一気に爆発した事件が起きている。8月19日、四川省成都市で「城管」が果物売りの露天商に暴力を振るい、城管が呼びつけた警察が別の露天商を逮捕したことが発端となり、怒った民衆が一気に集まって、パトカーを取り囲んで抗議するという、非常事態となった。
抗議活動に加わる市民の数は、どんどん増えていき、「ピーク時で千人は超えていた」とされる。怒涛の民意を前に、警察は最終的に妥協することになり、捉えた露天商を開放した。
自由になった露天商はパトカーの上によじ登り、片方、外された手錠がまだついたままの手を突き上げるなどして、城管の暴力に抗議する叫びを上げ、周りの市民から歓声が巻き起こっていた。
この話に加えて、ナイフで警官を斬りつけたり、公安や城管に対抗するためにガスボンベを地面に叩きつけて「心中」を覚悟した市民の姿を捉えた動画が、ネットで拡散されている。
警官を斬りつける市民
19日夜、山東省臨沂市(りんぎーし)のある集合住宅地で、ナイフを持った男(53歳)が暴動鎮圧用の各種武器で武装された「特殊警察部隊」によって包囲されていた。男は叫びながらナイフを振り回すなどして反抗をし、警察の中から悲鳴が上がった。
翌日、現地公安当局は、この件により警察官2人が負傷したと通報。ナイフの男は精神病を患っているため、その身柄を取り押さえて病院送りしたという。
(現場の様子)
ガスボンベを投げ落として「心中」図る市民
20日夜、山西省忻州市(きんしゅうーし)でも、露天商がナイフで公安や城管に反抗する事件が起きた。
現場を捉えた動画のなかには、ナイフを振り回す露天商を前に、逃げまとう制服姿の男らの姿があった。パトカーまでもが一度「避難」するため、バックしている。
露天商の男は上着を脱ぎ捨て、ガス噴出中のガスボンベを高く持ち上げ、公安らの間の地面に思いっきり叩きつけた。その場面に恐怖で首を縮める警官もいた。幸いガスボンベは爆発しなかった。その後、露天商の男は大勢の公安に圧倒され、連行されたという。
(現場の様子)
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